ミスに対する指導(オーダーメードのマニュアル作成)
2024/10/21 更新
ミスの発生
(1)新人社員Bは、期限になって、上司Aに仕事が完成してない、と報告しにきました。
(2)その仕事を完成させるには、上司Aは土日に出勤するしかありません、
(3)新人社員Bは、土日は旅行にいくので、上司Aに、あとの仕事を任せたいと言い出しました。
新人社員に悪気はない
上司Aの本音
(1)上司Aは、何度も新人社員Bに進捗を確認し、新人社員Bは「ぎりぎりになるが、間に合う。」と回答していました。
(2)さすがの上司Aもカンカンに怒ってしまいました。
新人社員B
(1)新人社員Bは、半年前まで学生でした。
(2)学生の時代は、自分の力量を超えた宿題が出ることはありませんでした。また、宿題は自分一人でするべきものと思い込んでいました。
(3)しかし、「仕事が完成していても、してなくても、期限に余裕があるうちに、相談する。」これが社会人としての常識です。
本質的な問題
(1)問題は、2つあります。
(2)一つは、新人社員に社会常識がないこと
(3)もう一つは、指導担当者に、新人社員に社会常識がなくて当然であり、それを教える義務が指導担当者にあるのに、これを怠ったことです。
オーダーメードのマニュアル作成
(1)人ごとに、常識の内容もレベルも異なります。したがって、新人指導においては、「オーダーメードのマニュアル」を作って、これを一つ一つ伝えていくことが必要になります。
(2)指導担当者としては、一般的な、新人社員のレベルに合わせたマニュアルを用意し、さらに、追加で、「オーダーメードのマニュアル」を作って渡すことが必要です。
指導担当者としての正しい対応
怒りをコントールする。
(1)上司Aは、内心は怒り心頭でした。
(2)心を沈めて、深呼吸をしました。
(3)沈黙が流れました。
事実を確認する。
上司A
「事実を確認させて下さい。」
「●●の書面の提出時期は、〇日で、本日は×です。」
部下B
「はい。」
上司A
「その後、どこが良くなかったのか、一緒に考えましょう。」
上司A
「〇月〇日に仕事を依頼受けた場合に、まず、スケジュール帳に期限を入れましたか。」
部下B
「はい。」
上司A
「次の日までに、作業を開始できましたか。」
部下B
「してません。」
上司A
「初めての業務なので、早々に取り掛からないと、全体的なスケジュールが見えないですよね。」
部下B
「はい。」
「なぜ」と問わない。
(1)以下は、よくない例です。
(2)新人社員になぜ、こうなったかを聞いても、正しく理解はできていません。
上司A
「なぜ、こうなったのですか。」
※ 新人社員に、原因を聞いていることがミスリードです。
部下B
「●●と言われたので、△△提出しなくてもよいと思っていました。これが原因です。」
※ 人間誰しも自分の責任は否定したくなるものです。「本来、どうすればよいのか。」を正確に理解していないからミスを起こしたのです。その者に説明を求めてれば、当然、不適切な回答が出てきます。
その後の上司と部下のやり取り
上司は、部下に対し「そのような誤解を生じる状況ではなかった。」「言い訳をするな。」と説教が始まってしまいました。
ルールを考える。
上司として、あるべきルールが分かっていれば、ルールについての確認をします。
上司A
「次の日までに、作業を開始できましたか。」
部下B
「してません。」
上司A
「初めての業務なので、早々に取り掛からないと、全体的なスケジュールが見えないですよね。」
部下B
「はい。」
上司A
「書類の作成は一週間で一度、上司に見せるのがルールです。これが守れていましたか。」
部下B
「できていません。」
ルールが明確な場合には、このルールについて検討します。
ルールが分からないとき
(1)人ごとに、常識の内容もレベルも異なります。したがって、新人指導においては、「オーダーメードのマニュアル」を作って、これを一つ一つ伝えていくことが必要になります。
(2)会社に、これを防ぐのに相当するルールがなかったときには、ルールを考える必要があります。
上司A
「どうすればよかったのか、知りたいので、もう少し事実を確認したいです。」
(省略)
上司A
「時間をもらってありがとうございます。」
「再発防止には、ルール設定をするのが1番です。聞いた話を参考に、私の方でルールを考えたいと思います。」
オーダーメードのマニュアル作成の作成
(1)ケース・バイ・ケースですが、新しい社内ルールは、上司Aが他の社員と話し合って決める方がよいでしょう。
(2)新人社員と相談すると、新人社員の意見を反映する必要があります。しかし、新人社員は「本来、どうすればよいのか。」を正確に理解していません。意見を反映すると回り道になりかねません。
(3)一つ一つ、新しいマニュアルを作っていくことになります。