問題社員の話を聞こう
2024/08/29 更新
1 問題社員の話を聞くことが大切です。
(1)遅刻を繰り返す社員に対し、社員からその理由を10分かけて聞いていますか。
(2)実は、指導は社員の意見を聞くことから始めなければなりません。
(3)指導には手順があります。
2 問題行動を客観的に伝えよう
(1)まずは、問題行動を客観的に伝えます。
タイムカードを見ると、「〇日は5分、〇日は10分、・・・」と遅刻している。
(2)次に、会社として、どんな不利益・損失を被っているかを説明します。
始業時刻が決まっているのは、社員がメンバーで仕事をするためです。一人でも欠ければ、その人に仕事を依頼することができません。例えば、その人がいない時間、会社の業務がストップすることだってあります。
3 問題社員の意見を聞こう
(1)問題社員の言い分を10分聞きましょう。
「〇〇さんとしては、定時に出社できない理由があるのですか。」
「すいません。」
「私は、〇さんを責めるために質問しているわけではありません。遅刻という会社の損失について、防止策を一緒に考えたいと思っているのです。」 「何か、問題を抱えているのでそうか。」
4 ラポールを築く
’(1) 「5分遅刻しても、5分延長して仕事をすれば、同じ時間仕事をしたことになる。最近、残業続きで、疲れており、なかなか朝起きるのもつらい。」ということですね。なるほど、君の考え方にも分かります。
(2)相手の考え方について共感をしますことで、相手と信頼関係を作ることができます。
(3)相手の話を要約し、そこに、肯定的な意見を述べて、受け入れます。
(4)信頼関係している上司から叱られてこそ、社員は納得するのです。
5 マインドセットをする
(1)常識だと思っていることはそれぞれ違います。自分の思い込みで判断せずに、他人の考え方を聞くことは大事です。
(2)遅刻を繰り返す社員は、朝の朝礼は大事ではないと思っているからかもしれません。毎日、残業を強いられており十分な時間労働しているのであるから、出社時間は融通を聞かせるべきだと思っているかもしれません。
(3)価値観のズレを放置して、𠮟りつけても相手の納得を得ることはできません。相手の意見を聞いたうえで、こちら側の理屈を説明し、価値観を訂正したり、社員に行動の変更を約束させたりします。
6 観測しやすい目標の設定し、適時にフィードバックする
(1)「5分前に出社する。」「一本早い電車に乗る。」「今日は5時に仕事を終わらせて、早く寝る。」等観測しやすい目標を設定します。
行動の結果を評価し、相手に伝えて、行動の変革を促していきます。
(2)社員が目標を達成すれば、肯定的なフィードバックを返します。「今日は朝早いね。ありがとう。」と声をかけることが必要です。
参考文献
「アサーティブコミュニケーション」 月刊大阪弁護士会2021年11月号2頁以下