民事訴訟

Q 訴訟要件とは何ですか。訴訟要件について概略を教えて下さい。

2026/09/05 更新

訴訟要件 

(1)訴訟要件とは、本案判決をするために必要な要件です。

(2)理論上は、訴訟要件は、本案審理よりも先に審査すべきです。しかし、民事訴訟の実務では、管轄の紛争を覗いて、訴訟要件の審査を経てから本案の審理に入るという二段階構造は取られていません。したがって、両方を同時に審理することもできます。

(3)訴訟要件を欠くことが明確になれば訴えは却下されます。

 口頭弁論終結時までに訴訟要件を満たせば、本案判決をすることができます。

 訴訟要件が充足しているか不明であるが、本案について請求棄却となることが分かった場合に、請求棄却判決を出せるかは争いがあります。

(4)訴え却下判決では、訴訟要件の存否(裁判所が判断した事項に限る)について既判力が認められます。例えば、訴えの利益、当事者適格の存否の判断について既判力が及びます。(藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」336頁、岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻」136頁)

(5)訴え却下判決に対しては、原告のみならず、請求棄却を求めていた被告も上訴の利益を有する。(藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」509頁)

1 管轄の争い
(1)管轄は、どの裁判所で争うか、という問題です。したがって、管轄違いとなれば、今までの裁判が全て違法となってしまします。したがって、管轄が争われると、その他を除いて管轄だけを争うミニ裁判となるイメージです。
(2)当事者双方が書面を出して、裁判所が決定を出します。その決定には控訴もできます。

2 その他の訴訟要件
 その他の訴訟要件では、実体上の権利の有無と一緒に判断されます。訴訟要件が争われていると、第一審の判決時に、訴訟要件と実体法上の権利の有無が一緒に審理され、訴訟要件を欠くと請求が却下され、実体法上の権利の有無は審理されなくなる、という結末を迎えます。

参考

 勅使川原和彦「読解 民事訴訟法」 8頁、9頁

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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