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民事訴訟

Q どのような訴訟が固有必要的共同訴訟になるのか。

2026/04/15 更新

固有必要的共同訴訟

1 合一確定の必要性

(1)「訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合」に必要的共同訴訟となります(民j訴訟法40条1項)しかし、共同訴訟は、固有必要的共同訴訟と、類似必要的共同訴訟に代われます。

(2)固有必要的共同訴訟では、全員を訴訟当事者(原告または被告)としなければ、当事者適格が認められません。
(3)どのような訴訟が、「合一確定の必要性」が認められて、固有必要的共同訴訟になるのでしょうか。

民事訴訟法40条 必要的共同訴訟
1項 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
2項 前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
3項 第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
4項 第三十二条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する

2 類型

(1)他人間の権利関係に変動を生じさせる訴訟や、(実体法上、)数人が共同で管理処分権を行使する必要がある場合には、固有必要的共同訴訟にあたるとされてきました。

数人が共同で管理処分権を行使する必要がある場

1 判例の考え方

(1)判例は、実体法上、その管理処分権を全員で行使する必要がある場合には、固有必要的共同訴訟とされてきました。
 加えて、判例は、手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析を加えて、固有必要的共同訴訟にあたるかを判断しています

2 共同の所有権

 共有にする訴訟については、判例は、実体法上、その管理処分権を全員で行使する必要がある場合には、固有必要的共同訴訟と判断してきました。

総有
 権利能力な社団の財産について、構成員全員が原告になる方法で訴訟する場合には固有必要的共同訴訟となります。(岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 」197頁)

合有
 民法上の組合の財産について、構成員全員が原告になる方法で訴訟する場合には固有必要的共同訴訟となります。(岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第2巻 」212頁)

共有
 共有物確認の訴え(最判昭和46年10月7日民集25巻7号885頁)は固有必要的共同訴訟となります。
(岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 」399頁)
 
 共有物分割訴訟は固有必要的共同訴訟となります。
(岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 」404頁)


手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析

 判例は、手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析を加えて、固有必要的共同訴訟にあたるかを判断しています。

共有地についての境界確定訴訟

最判昭和46年12月 9日(民集25巻9号1457頁)

(1)共有地についての境界確定訴訟は有者全員を原告または被告としなければ当事者適格が認められない固有必要的共同訴訟であるとされました。
(2)訴訟の対象は公法上の境界である。実体法上の管理処分権は無関係であり、手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析を加えて、固有必要的共同訴訟にあたると判断されました。

遺産確認の訴え

最判平成元年3月28日民集43巻3号167頁

(1) 遺産確認の訴えは、相続人全員を原告または被告としなければ当事者適格が認められない固有必要的共同訴訟であるとされました。
(2)遺産分割協議の前提として、当該財産が遺産分割の対象となることを既判力をもって確定することが有益であり、かつ、手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析を加えて、固有必要的共同訴訟にあたると判断されました。

相続人の地位不存在確認の訴え

最判平成昭和56年9月11日(民集35巻6号1013頁

(1)相続人の地位不存在確認の訴えは、相続人全員を原告または被告としなければ当事者適格が認められない固有必要的共同訴訟であるとされました。
(2)遺産分割協議の前提として、相続人の範囲を既判力をもって確定することが有益であり、かつ、手続法上の観点(紛争解決のためには、全員が訴訟に参加するのが適切である)という分析を加えて、固有必要的共同訴訟にあたると判断されました。

参考

 勅使川原和彦 「読解 民事訴訟法」245頁以下

 

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