Q 訴訟告知と、訴訟告知に基づく参加的効力について教えて下さい。
2026/08/12 更新
訴訟告知
(1)訴訟告知は、「訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすること」です(民事訴訟法53条1項)。
(2)「参加できる第三者」は、補助参加(民事訴訟法42条)、共同訴訟参加(民事訴訟法52条)、独立当事者参加(民事訴訟法47条)を含みます。
参考
名津井吉裕ほか「事例で考える民事訴訟法 」384頁
| 民事訴訟法53条 訴訟告知 1項 当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。 2項 訴訟告知を受けた者は、更に訴訟告知をすることができる。 3項 訴訟告知は、その理由及び訴訟の程度を記載した書面を裁判所に提出してしなければならない。 4項 訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第四十六条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。 |
訴訟告知の参加的効力の要件
訴訟告知による参加的効力が認められるには、①訴訟告知をしたこと、②被告者に補助参加の利益があること、③告知者が敗訴したこと、④被告者が積極的に協力して応訴すべきであるのに参加せしなかったこと、⑤告知者が援用したことです。
訴訟告知の参加的効力が認められる要件
(1)訴訟告知は、「訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすること」である(民事訴訟法53条1項)。訴訟告知には参加的効力が認められる(民事訴訟法53条4項)。
(2)訴訟告知の参加的効力の本質は敗訴責任の分担である。被告者が積極的に協力して応訴すべきであるのに参加せず、被告知者が敗訴した場合、被告知者の判決主文又はこれを導く請求原因の判断について、被告知者に参加手効力が及ぶ。
1 理由中の判断
(1)参加的効力は①判決主文中の判断だけでなく、理由中の判断にも生じる。
(2)補助参加についての判例(最判平成14年1月22日判時1776号67頁)は、「この判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断とは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいうものであって、これに当たらない事実又は論点について示された認定や法律判断を含むものではないと解される。」としている。
2 被告者の訴訟行為
①の理由中の判断(争点)について、被告者は、告知者の側で協力して訴訟をすべき事情があるが、訴訟活動をしなかったこと
③訴訟告知の拘束力
被告者は、①と②を満たす判決の理由(争点)の判断について、矛盾する主張ができなくなる。
| 民事訴訟法46条 補助参加人に対する裁判の効力 補助参加に係る訴訟の裁判は、次に掲げる場合を除き、補助参加人に対してもその効力を有する。 一 前条第一項ただし書の規定により補助参加人が訴訟行為をすることができなかったとき。 二 前条第二項の規定により補助参加人の訴訟行為が効力を有しなかったとき。 三 被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げたとき。 四 被参加人が補助参加人のすることができない訴訟行為を故意又は過失によってしなかったとき。 |
訴訟への参加
(1)被告知者が、実際に訴訟に補助参加した場合には、補助参加としての参加的効力が問題となっても、「訴訟告知に基づく参加的効力」は及ばない。
(2)被告知者が、告知者ではなく、相手方に補助参加した場合には、補助参加としての参加的効力がどうなるか。問題となっても、「訴訟告知に基づく参加的効力」は及ばない。
(3)被告知者が、告知者ではなく、相手方に補助参加した場合には参加的効力を認めた判例もあるが(仙台高判昭和55年1月28日高民集33巻1号1頁)、これを否定する見解も有力です。
参考
名津井吉裕ほか「事例で考える民事訴訟法 」391頁




