Q 健康診断で異常所見が見られた場合に、企業はどんな対応をすべきでしょうか。
2026/07/26 更新
健康診断の結果と個人情報保護法
(1)健康診断書の内容は要配慮個人情報です(個人情報保護法2条3項)。
(2)要配慮個人情報の取得には、原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法20条2項)。しかし、健康診断結果の取得は法律(労働安全衛生法)の定めがあるために、本人の同意が不要となります。なお、定期健康診断の結果のうち法定の項目ではない診断結果については、別の問題もあります。
異常所見と社員本人への通知
(1)異常所見があれば、社員本人に病院に受診し、その結果について連絡するように通知する必要があります。
(2)企業としては、①病状の深刻度、②病状としてどんな業務上の障害がありえるのか。③これらを考慮の上で配置転換等も考えなければなりません。
業務としてのリ ス ク の 低 い 職 種
一 般 事 務 、経 理、人 総 務 な どであれば、受診を命じるだけでよいでしょう。
業務としてのリスクの高い職種
車を運転する業務になければ、受診について報告がないことを理由として、配置転換等の重めの処分も検討しなければならないでしょう。
病気の程度が重く、リスクの重い行基
失神や、心不全や、脳梗塞がありえる場合には、これを理由として、軽作業への転換等も検討しなければなりません。
異常所見についての知識
(1)企業の担当者としては、異常所見についての知識を少しずつ増やしていくことが必要になります。
(2)産業医がいれば、産業医と相談し、「リスクの高い社員(診断結果)がいるのか。」「そのリスクがどんなものか。」という相談を定期的に行うことになります。
(3)その後は、対象従業員に受診を連絡したことの記録、産業医と相談した記録、そして、対応を検討していた記録(配置転換等の対応をしなかったことを正当化できるだけの社内の検討結果の記録)を残していくことになります。
参考
ビジネスガイド2026年8月号64頁




