民事訴訟

Q 弁論主義の第一テーゼについて教えて下さい。

2026/10/23 更新

弁論主義

1 弁論主義
(1)弁論主義は、民事訴訟においては、当事者は裁判の基礎となるべき事実及び証拠の収集、提出において、当事者がこれを決定する権限を有し、その義務を負う、という原則である。
(2)弁論主義の根拠は、民事訴訟で審理の対象となる紛争については、もともと当事者が自由に話し合って解決することができるものであるからである(私的自治説)。

2 弁論主義の第一テーゼ
(1)裁判所は、当事者の主張しない事実を認定することはできない(第一テーゼ)。
(2)なお、ここでいう「事実」は主要事実に限られる。間接事実や補助事実まで、当事者の主張がなければ認定できないとすると、裁判所が自由に事実を認定することができなくなるからである(自由心証主義)。

3 主要事実
(1)主要事実は、実体法上の権利の発生、変更、消滅を発生させる、法律上の要件(要件事実)に該当する具体的な事実をいう。
(2)請求原因及抗弁がこれにあたる。
(3)抗弁とは、(1)抗弁とは、①請求原因事実と両立し、②が請求原因から生じる法律効果を否定する効果を発生させる事実をいう。

弁論主義と不意打ち防止
(1)仮に、本件各事実を認定することが不意打ちにあたらないとしても、弁論主義違反となるのはなぜか。
(2)弁論主義の根拠は、民事訴訟で審理の対象となる紛争については、もともと当事者が自由に話し合って解決することができるものであることから、どのような事実の有無が争点となるか、争点の設定という訴訟進行について当事者の意思を反映させるものである(私的自治)。
(3)例えば、裁判所が当事者が主張していない事実の可能性を指摘しておけば、その事実が認められて不利益を受ける当事者は反論する機会を得れるので、不意打ちにあたらない。しかし、これを認めてしまえば、争点設定について当事者の意思を無視することになる。当事者が意識していない事実が争点となり、訴訟が長期化しかねない。(令和7年度司法試験で出題)


弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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