Q 昭和44年度の旧司法試験の第1問の解答を教えて下さい。
2026/08/16 更新
第1
1 問題
甲を被告として訴えを提起したが、訴えの提起前すでに甲が死亡していた場合、訴訟手続はどうなるか。
2 当事者の問題
(1)訴状の到達時に、訴状に記載されていた原告または被告が死亡した場合ている。
(2)当事者の確定が問題となるが、訴状に記載された当事者(原告、被告)が訴訟の当事者となる(表示説)。
3 訴訟の受継
(1)訴訟係属後に、当事者が死亡した場合には訴訟の受継(124条)という制度がある。しかし、同制度は訴訟結後の承継制度であるから適用はない。
3 任意的訴訟担当
(1)訴状記載の当事者(原告、被告)とは別の者が、裁判所で当事者として活動したが、本来の当事者が、あえてその者の訴訟手続を引き継ぐ任意的当事者変更という手続きがあります。その手続の法的性質については、どのように考えるべきか。
(2)訴えの変更(143条)は当事者の変更を含まない。また、当事者の変更を定める訴訟承継(50条1項、51条)は、訴訟係属前に当事者が死亡した場合を法定していない。
(3)したがって、訴訟手続をはじめからやり直すのが適切であるから、任意的当事者変更については、新訴の提起と旧訴の取り下げを行う複合行為である。
第2
1 問題
甲を被告として訴えを提起したが、訴えの提起前に甲が死亡していた場合、訴訟手続はどうなるか。
2 訴訟の受継
(1)訴訟係属後に、当事者が死亡した場合には訴訟の受継(124条)という制度がある。
(2)当事者の死亡によって訴訟手続は中断する(民事訴訟法124条1項)。
(3)当事者が、訴訟の受継を申し立てるが(民事訴訟法126)、裁判所が続行命令を出すことになる(民事訴訟法129条)。
第2
1 問題
甲を被告として訴えを提起したが、口頭弁論終結後判決前に甲が死亡していた場合、訴訟手続はどうなるか。
2 判決
(1)口頭弁論終結後に当事者が死亡しても判決の言い渡しは可能である(民事訴訟法132条1項)。
(2)判決の送達があった2週間が過ぎれば判決は確定する(民事訴訟追法285条)。
(3)しかし、相続人にとっては、事実確認もできず、2週間しか控訴控訴期限がないのは酷である。
3 結論
(1)相続人が受継の手続をとらない限り、有効な判決の送達はなく、上訴期限も進行しない。
(2)判決の言渡し後に手続は中断すると解するべきである。
以上




