民事訴訟

Q 平成2年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。

2026/08/19 更新

第1
1 問題
 業務執行組合員乙は、甲組合の任意的訴訟担当として、甲組合に帰属する財産に関する訴訟の原告又は被告となることができるか。
2 民法上の組合の法的性質
(1)民法上、各当事者が、出資をして、共同の事業を営むことを約することによって、民法上の組合が成立する(民法667条1項)。
(2)民法上、組合財産は組合員の共有となる(民法668条)。
3 任意的訴訟担当
(1)任意的訴訟担当を広く認めると、第三者が他人の訴訟活動をすることができ、弁護士資格制度を骨抜きにしかねない。無資格者が訴訟活動を代行すれば、司法制度が混乱する。
(2)法律の定めのない任意的訴訟担当を認めるには、弁護士資格制度等を骨抜きにしないこと、法律の定めがないくても任意的訴訟担当とする合理的必要性が必要である。
4 あてはめ
(1)業務執行組合員は、組合規約に基づいて、「自己の名で組合財産を管理し、対外的業務を遂行する権限を与えられている」場合には、組合財産について任意訴訟担当(訴訟の当事者)となることができる。
(2)これは、平常時において当事者として業務遂行をしていた者に対し、紛争時においても当事者として活動することを認めるものであり、事情を一番知る者としてこれを認める合理的必要性があるからである。
(3)甲組合の組合規約では、業務執行組合員がその業務執行に必要な一切の裁判外及び裁判上の行為をすることができとされている。業務執行組合員乙は、甲組合の任意的訴訟担当として、甲組合に帰属する財産に関する訴訟の原告又は被告となることができる。

第2
1 問題
 業務執行組合員乙が死亡したとき、訴訟の受継(民事訴訟法124条)ができるか。
2 当事者の死亡
(1)訴訟係属後に、当事者が死亡した場合には訴訟の受継(民事訴訟法124条)という制度がある、
(2)任意的訴訟担当も第三者の訴訟担当であるから「自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡」(民事訴訟法124条1項5号)があれば、訴訟は中断する。
(3)甲組合は、新たな業務執行組合員を選任し、「同一の資格を有する者」(民事訴訟法124条1項5号)が受継続の申立てをすることになる。

以上

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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