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民事訴訟

Q 訴訟要件とは何ですか。訴訟要件の審理について教えて下さい。

2026/08/22 更新

訴訟要件の定義

 訴訟要件とは、本案判決をするために必要な要件です。

訴訟要件の審理の順番

(1)理論上は、訴訟要件は、本案審理よりも先に審査すべきです。しかし、民事訴訟の実務では、管轄の紛争を覗いて、訴訟要件の審査を経てから本案の審理に入るという二段階構造は取られていません。したがって、両方を同時に審理することもできます。

(2)訴訟要件を欠くことが明確になれば訴えは却下されます。

 口頭弁論終結時までに訴訟要件を満たせば、本案判決をすることができます。

訴訟要件の審理

当事者の実在、当事者能力、専属管轄訴えの利益、当事者適格、管轄(専属管轄を除く)不起訴の合意
調査の開始職権調査職権調査抗弁事項
資料の収集職権探知弁論主義弁論主義

調査の開始

職権調査

(1)訴訟要件の審理を当事者の申立てがなくても始めることを職権調査といいます。
(2)訴訟要件は、無駄な訴訟を無くすためのものです。裁判所がその責任で判断するのが原則であり、職権調査が原則です。

抗弁事項

(1)もっとも、当事者の申立てがある場合に、調査を行えばよい抗弁事項です。
(2)不起訴の合意はこれにあたります。

資料の収集

職権探知

(1)訴訟要件の審理について、証拠の収集を裁判所が行うべきという原則を職権探知といいます。
(2)当事者の実在、当事者能力がこれにあたります。

弁論主義

(1)訴訟要件の審理について、証拠の収集を当事者が行うべきという原則を弁論主義といいます。
(2)訴えの利益や、当事者適格については、本案の訴訟物と深くかかわっていることから、弁論主義が適用されます。
(3)任意管轄については、応訴管轄が認められており当事者に決定権を委ねていることから、弁論主義が適用されます。

参考

 藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」328頁以下

訴訟要件が充足しているか不明であるが、本案について請求棄却となることが分かった場合

(1)管轄を除いて、訴訟要件と本案は同時に審理されていきます。
(2)訴訟要件が充足しているか不明であるが、本案について請求棄却となることが分かった場合に、請求棄却判決を出せるか問題取ります。
(3)訴訟要件は本案審理よりも先に審査すべきです。訴訟要件の充足が不明であるのに本案判決を下すことはできないという考え方もできます。。
(4)これに対して、原告の請求が認められない、という意味で同じであるとすれば、請求却下する本案判決を下すことで迅速な解決に繋がる、という考え方もあります(有力説)。
 もっとも、債権者代位訴訟などの、第三者のための訴訟担当となるべき当事者適格については、訴訟に参加していない当事者に判決の効力が及ぶので、訴訟要件の審理の前に本案判決を下すことは、どの考え方をとったとしても許されません。(藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」222頁、333頁)

訴訟要件と既判力

(1)訴訟要件を欠くと、訴え却下判決となります。
(2)訴え却下判決では、訴訟要件の存否(裁判所が判断した事項に限る)について既判力が認められます。例えば、訴えの利益、当事者適格の存否の判断について既判力が及びます。(藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」336頁、岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻」136頁)

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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