Q 平成10年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。
2026/08/30 更新
第1
1 問題
(1)XとY間で売買契約についてXの請求について認容判決が確定した。以下前訴という。
(2)YはYに対し後訴を提起して、売買契約の取消しをすることはできるか。
2 遮断効の趣旨
(1)前訴で、Xの請求権が存在することに既判力が及んでいる(民事訴訟法114条1項)。
(2)実体法上は、訴訟の結果によって、取消権や解除権の行使を制限する理由はない。
既判力の基準時は、当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時である 。これらを行使したのは基準日後であるから、これらの行使は既判力では遮断されなくてもよいはずである。
(3)しかし、これらの行使を自由に認めては、紛争が蒸し返される結果、原告にとって大きな負担となる(法的安定性)。被告はこれらを行使できたのにしなかったのであるから、これらの権利行使を認める必要はない。(提出責任)。
3 遮断効力の定義
(1)前訴訟の口頭弁論終結前に発生した事情に基づく取消権の行使は、既判力によって遮断され、後訴で取消しの主張をすることはできない。
(2)YがXに対し、売買契約の詐欺取り消しを主張するが、前訴訟の口頭弁論終結前に発生した事情に基づく取消権の行使であるから許されない。
第2
1 問題
(1)XとY間で貸金返還請求についてXの請求について認容判決が確定した。以下、前訴という。
(2)YはXに対し後訴を提起して、相殺の主張ができるか。
2 結論
(1)相殺の主張は、自働債権の喪失し、原告の実質勝訴という結果は変更がないので、相殺の主張は認められる。
(2)前訴訟で確定した訴訟の結果によって被告が不利益を受ける結果は変わらない、という特徴がある。
第3
1 問題
(1)XとYで建物収去土地明渡請求についてX勝訴判決が確定した。以下、前訴という。
(2)YはXに対し建物買取請求権を行使できるか。
2 結論
(1)建物買取請求権は基準時に発生していた事情にあたるとしても、基準日後に行使することができる。
(2)建物買取請求権の行使は建物等の明け渡しが認めた上での請求となる。前訴訟で確定した訴訟の結果によって被告が不利益を受ける結果は変わらない、という特徴がある。
以上




