Q 訴えの変更により、原告の請求が異なった場合に、被告は自白の主張を撤回できないか。
2026/10/24 更新
1 問題
(1)訴えの変更により、原告の請求が異なった場合に、被告は自白の主張を撤回できないか。
(2)裁判上の自白が成立すると、当事者は、以下の場合を除いてこれを撤回できない。
①相手方の同意がある場合
②刑事罰上罰すべき他人の行為により自白した場合
③自白が真実に反し、真実について錯誤があった場合
2 弁論主義の趣旨
(1)弁論主義の根拠は、民事訴訟で審理の対象となる紛争については、もともと当事者が自由に話し合って解決することができるものであることから、どのような事実の有無が争点となるか、争点の設定という訴訟進行について当事者の意思を反映させるものである(私的自治)。
(2)争いのある事実とそうでない事実を分けて、争点の絞り込みを行う。しかし、裁判上の自白の撤回が許されればいつまでも、争点が明確にならない。
(3)争点が増えれば訴訟は遅延する。このため、自白することの不利益の程度とこれを争うことで訴訟が遅延のコスト等を考慮して決めることになる。
4 撤回の要件
したがって、訴えの変更によって、原告の請求原因が異なったり、原告の請求額が異なった場合には、被告が理解していた不利益の程度が異なるわけであるから、この場合にも自白の撤回を認めるべきである。
参考
藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」114頁90頁
| 旧司法試験の昭和62年の第2問、司法試験令和元年で、この点について出題されている。 司法試験・予備試験では、実務的な視点での深い分析力を問う問題が出題されており、注意が必要です。。 |




