民事訴訟

Q 訴訟承継後に、裁判所が訴訟承継の事実がないと判断した場合にはどのようになりますか。

2026/09/14 更新

1 問題
(1)甲は乙に対し貸金を請求する訴訟を提起した。・・・①
(2)甲は丙に対し貸金を譲渡したと主張した。
(3)引継承継により、甲は丙に対する貸金を請求する訴訟を提起した。・・・②
(4)引継承継の効果によって、①と②の訴訟は通常共同訴訟の一種である同時審判申出共同訴訟となった。
(5)裁判所が、甲丙間の債権譲渡の事実が存在しない、つまり、訴訟承継の要件を満たさないと判断した場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。
2 判決
(1)①の訴訟については、債権譲渡がなかったのであるから、貸金請求が認められれば認容判決を、貸金請求が認められなければ棄却判決をすべきである。
(2)これに対して、②の訴訟について、甲丙間の債権譲渡の事実が存在しない、したがって、訴訟承継の要件を満たさない、②の訴訟については、当事者適格を欠くとする判決をすることが考えられる。
(3)しかし、「甲丙間の債権譲渡の事実が存在する。しない。」は本案の問題であるから、②の訴訟については、請求棄却判決を下すべきである。

参考
 田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 403頁
 藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」504頁

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

「民事訴訟」トップに戻る

Contact.お問い合わせ

ご質問・ご相談などお気軽に
お問い合わせください。