予防法務

Q 採用や昇進で女性枠を設けるのは、男性に対する逆差別ではないか。(男女参画)

2026/09/08 更新

採用や昇進で女性枠を設けるのは、男性に対する逆差別ではないか

 (1)これは、ジェンダーギャップ解消の議論において、必ずと言っていいほど上がるこの疑問です。
(2)しかし、科学的根拠(エビデンス)に目を向けると、単なる「優遇」ではない構造的な背景が見えてきます。 なぜ今「女性枠」というアプローチが必要とされるのか、この点について、回答できることは新時代の常識となります。

女性の活躍を阻む「無意識のブレーキ」

(1)研究結果によると、社会には依然として「男性は自分より高学歴・高収入の女性をパートナーにすることを避けがち」という傾向(ステレオタイプ)が存在します。
(2) 結婚や出会いを意識する環境(学校や職場)において、優秀な女性ほど「バリバリ働く姿を見せると損をする」と感じ、無意識に昇進競争や受験を避けてしまう風潮が生まれます。

能力の高い女性の活用

 本来は能力の高い女性が、社会的な同調圧力によって挑戦を諦めることは、企業や社会にとって計り知れない「大きな損失」となっています。

 「女性枠」が持つ合理性

(1) 「能力は男女同等なのだから、性別関係なく実力主義で評価すべきだ」という意見は一見正論に思えます。
(2)本来、仕事の能力は男女とも同じであるはずであるから、女性が同数活躍できていないのがおかしいのです。
(3)したがって、女性については、枠を使って活躍できる場を用意し、その女性の能力は実績によって確かめる、という選考方法の違いとして、説明も可能だといえます。

参考  

 中室牧子「科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線」202頁以下

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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