Q 科学的に正しい勉強法はどうやれば見つけれるのか。
2026/09/14 更新
論文試験の勉強法
(1)司法試験の出題範囲は広いです。一般論としては、基本的な知識が問われていると言われており、基本(重要)な知識にしぼって勉強するのがベストです。
(2)勉強を始めてみると、知らない問題(知識)で出会えば不安になってしまいます。そうなってしまうと、ついつい手を広げてしまいます。
(3)いろいろな人に聞いても勉強方法は様々です。正しい勉強法を確かめる方法はあるのでしょうか。
科学的に正しい勉強法を見つける方法
(1)例えば、「基本書を読まない方が短期合格できる。」という見解があります。これが正しいのか、どうやれば、分かるでしょうか。
(2)例えば、ある法科大学院の学生から、「基本書を読む人」と「基本書を読まない人」に分けて、司法試験の合否で統計結果を出す方法を考えてみましょう。
「基本書を読む人」も「基本書を読まない人」も一定数を確保できれば、母集団における個人の能力が平均化されて、どちらが有利なのか、判断できます。(ランダム化比較試験)(中室牧子「科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線」32頁)
(3)ここで注意が必要なのは、これによって確認できるのは、「相関関係です。」、「因果関係は分からない。」ということです。
言い換えると、司法試験に合格した人の中で、 「基本書を読む人」の方が「基本書を読まない人」も多いぐらいということです。
例えば、その法科大学院の教授が「基本書を読むべき」という説明をしていとします。そうすると、「その人が素直なのか。」が影響を与えている可能性もあります。
(4)この点は重要なので別の例もあげておきましょう。東大に合格した人を、高校時代に、「男子校もしくは女子高」なのか。「共学」に分けて集計したと仮定します。
この場合に、「男子校もしくは女子高の方が多い。」という結果が出たとします。そうすると、「男子校もしくは女子高の方が学力向上にとって有利である。」といえるでしょうか。
しかし、進学校には「男子校もしくは女子高」の方が多く、これらの事情が強く関与している可能性があります。(中室牧子「科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線」173頁)
実際に、別の要因が結果に影響を与えていないかを測定するのであれば、「進学校なのか」で再度分析をする必要があります。
(5)別の方法として、法科大学院の法学部以外の者を集めてIQテスト等を受けてもらい、同様のIQだった者を追跡調査して、 「基本書を読む人」と「基本書を読まない人」を比べる方法もあります。(回帰不連続デザイン)(中室牧子「科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線」31頁)
(6)結論として、時間と予算があれば、「科学的に正しい勉強法」を見つけることは可能です。
しかし、現実的には難しい、というのが本音です。
情報源を分析する。
(1)学生がアクセスしやすい勉強法としては、①受験指導の講師、②友達、③合格者に分けることができます。
(2)情報の正しさであれば、③合格者に限って情報を集めるべきです。
(3)もっとも、大切なのは、合格者の能力が自分に近いのかを徹底的にヒアリングするんことです。自分と能力値の違う人が圧倒的な記憶力で、広範囲の知識をインプットして合格した可能性があるからです。
(4)高得点を取った人かどうか、よりも、自分が再現可能な勉強方法なのか、がより重要だからです。
何を聞くべきか。
(1)まず、大切なのは、その人の大学、大学時代に受験していた大学の合否、勉強期間を聞きましょう。合格者の能力が自分に近いのかを徹底的にヒアリングするんことです
(2)1日、1週間のスケジュールを徹底的に聞きましょう。その人の1日や1週間のスケジュールの立て方を聞いて、その人になりきって毎日、その内容をトレースすることを目標にしましょう。
(3)前に述べたとおり、合格者の勉強方法の10のアドバイスのうち1が間違っている可能性はあります。しかし、その1が間違っていても、その勉強法をそのままコピーした方が、一から勉強方法を自分で考えるよりは間違うリスクを大きく減らせます。
「徹底的にパクる」という考え方です。TTP
(1)ビジネスの世界では何が売れるのか正解がありません。正解がない世界で「徹底的にパクる」という方法がありあます。TTPと呼ぶ人もいます。
(2)世に出ている勉強教法はそれなりの成功をしているために、それを同じく採用すれば再現性が高い(成功確率が上がる。)と考えます。
(3)「一から考えると間違う可能性が高い。」「どうやれば、リサーチの方法で代替できるか。」「どのような事例が参考事例として参考になるのか。」を考えます。
(4) なお、先の例で、「東大合格者には、男子校もしくは女子高の出身者が多い。」という結果が出たが、実は、「男子校もしくは女子高であるかは、関係ない。」かもしれません。
しかし、正しい回答を得ることが現実的ではない以上は、上記の方法をとることが現実的な最適解であることは否定されるものではありません。




