判例(主観的予備的併合は、数人に対する請求が両立しえない関係にあって、主位的被告の請求が認められないことを解除条件として、予備的被告の請求について審理を求める訴訟の併合である。主観的予備的併合は違法である。)
2026/09/04 更新
最判昭和43年3月8日民集22巻3号551頁
「訴の主観的併合は不適法であつて許されないとする原審の判断は正当であり、原判決に所論の違法は存しない。」
解説
主観的予備的併合
(1)主観的予備的請求は、数人に対する請求が両立しえない関係にあって、主位的被告の請求が認められないことを解除条件として、予備的被告の請求について審理を求める訴訟の併合である。
(2)最判昭和42年3月8日民集22巻3号551頁は、これを違法とする。
主観的予備的併合が否定される理由
(1)主観的予備的併合が否定される理由は以下のとおりである。
(2)予備的被告は、主位的被告の請求が認められない場合に備えて応訴させられるが、主位的被告の請求が認容されると、請求棄却とされることなく、消滅させられてしまうので、不安定な地位に立たされる。
(3)主観的予備的併合訴訟も通常共同訴訟であるから、上訴の提起や、訴訟の中断、中止があった場合には、統一的な解釈ができなくなるからである。
(4)この問題の解決の一つとして設けられたのが同時審判の申出の制度である。
同時審判申出共同訴訟
(1)同審判の申出があっても、通常共同訴訟の一種です。つまり、弁論および裁判の分離が禁止されるが(民事訴訟法41条1項)、通常共同訴訟であるから共同訴訟人独立の原則が適用される(民事訴訟法39条)。(長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版補訂版」224頁、227頁)。
(2)したがって、上訴の提起や、訴訟の中断、中止があった場合には、統一的な解釈ができなくなる。
| (1)訴えの主観的予備的併合とは、共同被告の一方に対する請求が認められることを解除条件として、他方に対する請求の審理を求める併合です。 (2)判例(最判昭和43年3月8日民集22巻3号551頁)は、訴えの主観的予備的併合を認めていません。 (3)同時審判の申出がある共同訴訟は、これを立法的に解決した制度です。 (4)同時審判の申出がある共同訴訟では、解除条件として考えないので、共同被告の一方に対する請求が認められれば、他方に対する請求について棄却されることになります。この点が少し変わります。 (5)同時審判申出共同訴訟が設立されたことにより、訴えの主観的予備的併合の当否を議論する意義は小さくなったと言われています(長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版補訂版」230頁)。 |
参考
民事訴訟法判例百選(第6版)190頁
小林 秀之「民事訴訟法 第2版 新法学ライブラリ10」381頁、382頁




