Q 三段論法で文章を書くとはどういことでしょうか。
2026/09/10 更新
三段論法
(1)三段論法で文章を記載するのはどうことだろうか。
(2)類題をもとに考えてみよう。
問題
| 問題 (1)XはYに対し甲土地所有権に基づいてYに対し所有権移転等請求訴訟を提起した。 (2)裁判所は、以下の事実を認定したいと考えている。 ①XはYから甲土地を取得した。 ②XはYに甲土地について譲渡担保を設定した。 ③譲渡担保が実行されて、YがXから甲土地の所有権を取得した。 (3)しかし、当事者は②③の主張をしていないため、②③の事実を認定することは弁論主義の第一テーゼに反しないか。 (平成28年予備試験の類題) |
解説
1 問題提起
(1)問題を解くには、問題点の整理が必要である。なぜ、その部分が問題となるのか、端的に記載する訓練が必要である。
(2)本件では、問題提起を記載する必要はないだろう。しかし、長文問題の場合には、これを整理した記載部分が必要である。
(3)なお、これをしっかりと記載する訓練をしておけば、過去に解いたのと同じ問題なのか、どう変化させればよいのかもしっかりと分析することができる。
| 第1 1 問題 (1)XはYに対し甲土地所有権に基づいてYに対し所有権移転等請求訴訟を提起した。 (2)裁判所は、以下の事実を認定したいと考えている。 ①XはYから甲土地を取得した。 ②XはYに甲土地について譲渡担保を設定した。 ③譲渡担保が実行されて、YがXから甲土地の所有権を取得した。 (3)しかし、当事者は②③の主張をしていないため、②③の事実を認定することは弁論主義の第一テーゼに反しないか。 |
2 条文
(1)弁論主義について、規定する条文があれば、次の部分で条文をしてきすることになる。
(2)記載するとすれば以下のとおりとなる。
| (3)しかし、当事者は②③の主張をしていないため、②③の事実を認定することは弁論主義の第一テーゼに反しないか。 〇〇条では「〇〇」と記載されており、「〇〇」にあたるか問題となる。 |
3 定義と趣旨
(1)定義と趣旨を記載するのが鉄則である。
(2)ある程度、有名な論点については丸暗記してもよい。
| 3 弁論主義 (1)弁論主義は、民事訴訟においては、当事者は裁判の基礎となるべき事実及び証拠の収集、提出において、当事者がこれを決定する権限を有し、その義務を負う、という原則である。 (2)弁論主義の根拠は、民事訴訟で審理の対象となる紛争については、もともと当事者が自由に話し合って解決することができるものであるからである(私的自治説)。 4 弁論主義の第一テーゼ (1) 裁判所は、当事者の主張しない事実を裁判の基礎として採用してはならい。 (2) なお、ここでいう事実は主要事実に限られる。間接事実や補助事実まで、当事者の主張がない限り認められないとすると、裁判所が自由に事実を認定することができなくなるからである(自由心証主義)。 5 主要事実 (1)主要事実は、実体法上の権利の発生、変更、消滅を発生させる、法律上の要件(要件事実)に該当する具体的な事実をいう。 (2)請求原因及抗弁がこれにあたる。 (3)抗弁とは、(1)抗弁とは、①請求原因事実と両立し、②が請求原因から生じる法 律効果を否定する効果を発生させる事実をいう |
4 要件と効果
(1)法律は、要件と効果が全てである。
(2)例えば、弁論主義の第一テーゼでは、「主張事実について当事者の誰も主張していないことである。」という要件と、裁判所が認定できないという効果に分けて記載できる。
| 6 弁論主義の第一テーゼの要件 よって、弁論主義の第一テーゼにより、主張事実について当事者の誰も主張していない場合には、裁判所はその事実を認定できない。 |
5 あてはめ
(1)要件を定義すれば、要件に問題分にある事実をあてはめることがが必要である。
(2)判例等の理解しておいて、どのような事実が重要視されているのか、その事実がプラスに評価されるのか、マイナスに評価されるのか分析することが必要である。
| 7 あてはめ (1)Xは所有権に基づく登記移転請求権を訴訟物としている。 (2)「①XはYから甲土地を取得した。」は請求原因であり、主張事実である。 (3)「②XはYに甲土地について譲渡担保を設定した。」「③譲渡担保が実行されて、YがXから甲土地の所有権を取得した。」請求原因と両立し、Xの所有権を消滅させる抗弁である。 (4)②③について当事者は主張しておらず、②③を認定することは弁論主義に反し許されない。 |




