民事訴訟

Q 不利益変更禁止の原則について教えて下さい。

2026/08/31 更新

不利益変更禁止の原則

(1)控訴審は、控訴人の不服申立ての範囲でのみ、第一審を取消し変更できる(民事訴訟法304条) 。
(2)控訴審の審判対象も当事者が決めることができる(処分権主義)。不利益変更禁止の原則の根拠は、処分権主義である。

民事訴訟法304条 第一審判決の取消し及び変更の範囲
 第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。

参考
 越山和広「ロジカル演習 民事訴訟法 補訂版」224頁以下

不利益変更禁止の定義・効果

 不利益変更禁止は、相手方の控訴または附帯控訴がない限り、自己の不服申し立ての範囲を超えて自己に不利益に第一審判決を変更されないという意味である。

参考 
 長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版補訂版」316頁以下。

上訴の利益と不利益変更禁止の原則の関係(私見)

1 原判決の分析
 既判力は主文と、相殺が認容された場合にはその理由の判断に及ぶ(民事訴訟法114条)。
 つまり、訴訟物なる請求権の存否と、相殺の自働債権の存否に呼ぶ.・・・①

2 不服申立て
(1)不服申し立てと原判決を比べて原判決が申立てを下回っていれば上訴の利益が認められる(形式的不服説)。
(2)不服の申立て・・・②と、①を比べて、①が下回っていることが必要である。
(3)②不服申立は、①についての原告の請求が認められなかった部分である。

3 不利益変更禁止の原則
(1) 不利益変更禁止は、相手方の控訴または附帯控訴がない限り、自己の不服申し立ての範囲を超えて自己に不利益に第一審判決を変更されないという意味である。
(2)控訴審における裁判所の心証があるとする・・・③
(3)控訴審が、③の認定をしたいと思っていたとしても、①について②以外の部分以外を変更して張らない原則である。

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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