Q 令和6年度の予備試験の解答を教えて下さい。
2026/08/12 更新
第1 課題1
1 問題
(1) 弁論準備手続が終了し、尋問が行われ、その後は、結審が予定されていなかった。
(2)このタイミングで、Yが本件貸付債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張することは時期に遅れた攻撃防御方法とならないのか(民事訴訟法157条、174条)。
2 時期に遅れた攻撃防御方法と要件
(1)相殺の主張は、時期に遅れた攻撃防御方法にあたるかは、①攻撃防御方法であること、②訴訟を遅延させること、③故意過失があることが必要である。
(2)相殺の主張がされれば、他の抗弁が認められない場合には、自働債権の存否が問題となる。その場合には、自働債権(本件では貸金債権)の存否という全く別の債権を最初から審理をしなければならなくなるので、②訴訟を遅延させる。
(3)それでは、③相殺の抗弁の主張が結審の直前に出すことについて③故意・過失が認められるか。
3 ②故意過失
(1)相殺の主張は、他の抗弁が認められない場合に審理されるものであるから、初めから主張することは弱腰に見えるので、最初から主張することは心理的に躊躇する。
(2)最判昭和40年4月2日民集19巻3号539頁は、後訴訟(請求異議訴訟の訴え)にて、相殺を主張することができること認めている。同判例と比べれば、口頭弁論終結前の時点でも認められるべきとも思える。
(3)しかし、後訴訟(請求異議訴訟の訴え)にて、相殺を主張される可能性があることと、本訴請求の存否について判断をしてもらい、一度訴訟を終わらせるという、原告の利益を否定する理由にはならない。
(4)相殺の抗弁が認められると、自働債権(本件では貸金債権)の存否という全く別の債権をいちから審理をすることなるので、原告の不利益は大きい。
(5)Yは仮定的抗弁として相殺の抗弁を主張することもできた。
(6)以上より、Yが相殺の抗弁を主張することは許されない。
設問2
第1 課題1
1 問題
(1)Xは、Aを代理人とするYに対し代金の支払いをする旨の訴訟を提起し、Yは無権代理であると反論し、裁判所は代理も、表見代理も認めなかった。
(2)Xは、上記訴訟で、Aに対し訴訟告知をしていたが、Aは訴訟に参加しなかった。
(3)XはAに対し、無権代理人としての責任を追及する訴訟を提起したが、Aは代理権の授与を主張した。
(4)Aの上記主張は、Xの訴訟告知の効力により許されないのではいか。
2 訴訟告知の定義と趣旨
(1)訴訟告知は、「訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすること」である(民事訴訟法53条1項)。訴訟告知には参加的効力が認められる(民事訴訟法53条4項)。
(2)訴訟告知の参加的効力の本質は敗訴責任の分担である。被告者が積極的に協力して応訴すべきであるのに参加せず、被告知者が敗訴した場合、被告知者の判決主文又はこれを導く請求原因の判断について、被告知者に参加手効力が及ぶ。
(3)したがって、参加的拘束力を導くには、被告者は、告知者の側で協力して訴訟をすべき事情があるが、訴訟活動をしなかったことが必要である。
3 あてはめ
(3)①Xは代理、表見代理を主張し売買代金の請求をしており、代理権の授与や代理権があると信じた正当事由は、Xの請求を基礎づける請求原因(主要事実)である。
(4)②代理権が認められなければ、Aは無権代理をしたとして責任を負う立場にあり、代理権が存在するとしてXの側で訴訟することを期待できた。
(5)したがって、③Xが参加的効力を援用すれば、XとAの訴訟にて、Aは代理権が授与されたとは主張できない。
以上




