民事訴訟

Q 平成20年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。

2026/10/12 更新

第1 
 1 事実
(1)XとYの訴訟に、ZはYを補助するために補助参加した(民事訴訟法42条)。
(2)第一審でYは敗訴した。
(3)正本が平成20年7月3日にYに送達し、Yからすれば同月18日には控訴期限が経過している。
(4)正本が平成20年7月5日にZに送達し、Zからすれば同月18日には控訴期限内である。
 2 問題
(1)被参加人Yがすでに控訴期限の経過により控訴しえない。
(2)補助参加人Zからすれば、控訴期間内である。
(3)被参加人がすでに控訴期限の経過により控訴しえない場合に、補助参加人は、控訴できるか。
3 補助参加人の地位の従属性
(1)補助参加は他人の訴訟活動を助けて自己の権利を守る制度である。補助参加人には独立性と従属性がある。(2)補助参加人は独立性として、上訴の提起、再審の訴えをすることができる(民事訴訟法45条1項)とされる。
(3)これに対して、補助参加人は従属性として、参加した時点で被参加人がすでに成しえない訴訟行為は、補助参加人もすることができない(民事訴訟法45条1項ただし書)。たとえば、被参加人が行った自白の撤回、被参加人が提出したとすれば、時機に後れたものとして却下されることになる攻撃防御方法の提出ができない、とされる。
 さらに、補助参加人が被参加人の訴訟行為と抵触する訴訟行為をしても、その訴訟行為は効力を生じない (民事訴訟法45条2項)、とされる。
4 結論
(1)補助参加人は、被参加人がすでに成しえない訴訟行為は、補助参加人もすることができない(民事訴訟法45条1項ただし書)と規定されていることから、被参加人が控訴期間を経過することで控訴できない以上は、補助参加人も控訴ができない、という解釈が素直である。
(2)被参加人Yがすでに控訴期限の経過により控訴しえない場合に、補助参加人Zは、控訴できない。


第1 
 1 事実
(1)XとYの訴訟に、ZはYを補助するために補助参加した(民事訴訟法42条)。
(2)第一審でYは敗訴した。
(3)しかし、Yが重要な証拠を隠匿していた場合に、ZにXとYの訴訟の参加的効力が生じるか(民事訴訟法46条)。
 2 補助参加の参加的効力
(1)補助参加するには、「訴訟の結果について利害関係を有する」(補助参加の利益)を有していることが必要とされる(民事訴訟法42条)。
(2)補助参加の本質は敗訴責任の分担である。参加者が参加して応訴したが、被参加人が敗訴した場合、被参加者の判決主文又はこれを導く請求原因により、参加人の権利が害されるか場合に補助参加の利益が認められる。
 3 補助参加の参加的効力
(1)敗訴判決について、参加人に参加的効力が及ぶには、参加人が十分な訴訟参加できる環境が必要である。
(2)本件では、 Yが重要な証拠を隠匿していた場合に、ZにはXとYの訴訟の参加的効力が生じない。
(3)Zは、YとZ の訴訟において、主債務の存在を争うことができる。
以上

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

「民事訴訟」トップに戻る

Contact.お問い合わせ

ご質問・ご相談などお気軽に
お問い合わせください。

現在「Google削除請求」「離婚」「不倫・既婚者慰謝料請求」「貞操権侵害慰謝料請求」「アスベスト給付金」「B型肝炎給付金」「時効援用通知の作成」「(近畿圏以外の)原状回復」のご相談受付は一時停止しております。