Q 平成22年度の旧司法試験の第1問の解答を教えて下さい。
2026/08/25 更新
第1
1 問題
(1)BはAに対し債務不存在の訴えを提起した。・・・Bの訴え
(2)これに対して、AはBに対し同じ債権について給付訴訟を提起した。・・・Aの訴え
(3)Aの訴えは適法か、Bの訴えは適法か。
2 二重起訴
(1)二重起訴の禁止は、既判力が衝突する二つの訴えについて、二重に審理をすることによる裁判所や当事者負担や、二つの請求の既判力が矛盾することによる混乱を回避することにある。
(2)①ある訴訟の係属中に、②当事者が同一で、③訴訟物が同じ訴えが、別訴や反訴で提起されることは認められない(民事訴訟法142条)。
3 別訴提起
(1)債務不存在の訴えと、その債権について支払いを求める給付請求の訴訟物同一なので、二重起訴にあたる(民事訴訟法142条)。
(2)支払いを求める給付請求が債権の存否だけを確認する確認の訴訟よりも紛争解決には適切であり、債務不存在の訴えは、同訴訟が進行している等の事情が無い限り、確認の利益が消滅する。
したがって、二重起訴は解消される。
4 結論
(1)債務不存在の訴えは同訴訟が進行している等の事情が無い限り、Bの訴えは訴えの利益を欠く。
(2)Aの訴えは適法である。
第2
1 問題
(1)BはAに対し債務不存在の訴えを提起した。・・・Bの訴え
(2)これに対して、AはBに対し同じ債権について給付訴訟を反訴提起した。・・・Aの訴え
(3)Aの訴えは適法か、Bの訴えは適法か。
2 債務不存在の訴えと給付の訴え
(1)支払いを求める給付請求が債権の存否だけを確認する確認の訴訟よりも紛争解決には適切である。
(2)しかし、債務不存在の訴えの利益は消滅する。
(3)なお、反訴の場合には、今までの訴訟結果を引き継ぐので、債務不存在の訴えの進行と関係なく、訴えの利益が消滅する。
3 結論
(1)Bの訴えは訴えの利益を欠く。
(2)Aの訴えは適法である。
第3
1 問題
(1)BはAに対し債務不存在の訴えを提起した。・・・Bの本訴
(2)これに対して、AはBに対し同じ債権について給付訴訟を反訴提起した。・・・Aの反訴
(3)Bの本訴を取り下げられた後、AがAの反訴を取り下げたようとしている。
(4)Bは反対しているところ、民事訴訟法262条2項但書により、反訴の取下げにつちえBの同意は不要なのか。
2 民事訴訟法262条2項但書
民事訴訟法262条2項但書は、反訴は本訴に誘発的に提起されたものである。したがって、本訴の取下げられたのに乗じて反訴の取下げについては、相手方の同意なく取下げを認めるべきとした規定である。
3 あてはめ
(1)本訴の取下げは反訴の提起によるものであるから、反訴の取下げについて相手方は強い利害関係を持つ。したがって、同条の適用はない。
(2)Aの訴えの取下げにBの同意が必要であり、これを欠くので無効である。
以上
| 参考 民事訴訟法 (訴えの取下げ) 1項 訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 2項 訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。 |




