Q 平成26年度の予備試験の解答を教えて下さい。
2026/09/14 更新
設問1
第1
1 概要
(1)Xは、甲土地所有権に基づいて、乙建物を所有するYに対し、建物収去明渡し訴訟を提起した。・・・①
(2)Wは、Yから乙建物を賃貸した。Wの占有は、YのZ建物の占有権限がなければなりたない。
(3)Xは、甲土地所有権に基づいて、乙建物を占有するWに対し、建物明渡し訴訟を検討している。・・・②
2 民事訴訟法38条の要件
(1)通常共同訴訟の要件は、「権利・義務が共通している場合や、同一の事実・法律上の原因に基づいている」場合に成立する(民事訴訟法38条)。
(2)本件では、Wの占有は、YのZ建物の占有権限があることが前提となっている。①②の訴訟は権利義務が共通しているので、通常共同訴訟の要件を満たす。
3 別訴提起と併合
(1)まず、Xは②の訴訟を別に提起して、①の訴訟と併合する(民事訴訟法152条)ように裁判所に上申することが考えられる。
(2)しかし、併合されるかどうかは、裁判所の裁量となる。
(3)①と②の訴訟は、通常共同訴訟の要件(民事訴訟法38条の要件)を満たすことから、①の訴訟にWを被告として追加することはできないか。
4 主観的追加的併合
(1)訴訟の継続中に当事者を追加する主観的併合については、民事訴訟法38条の要件を満たす場合でも認められない。
(2)なぜなら、法律の定めないことや、新しい被告の手続保障が問題となることや、新しい被告のために訴訟の審理を少し巻き戻す必要があれば、訴訟が遅延するなど、訴訟が複雑化するかもしれない。
(3)訴訟の進行によっては、併合を認めるかどうか、裁判所が判断する「別訴提起と併合」の手段の方が穏当であるからである。
設問2
第2 ①の事実
1 事実
(1)Xは、甲土地所有権に基づいて、乙建物を所有するYに対し、建物収去明渡し訴訟を提起した。・・・【①】
(2)Wは、Yから乙建物を賃貸した。
(3)Wの占有は、【①】の訴訟の口頭弁論終結前に【①】の訴訟の係争物の占有を引き継ぐものであり、訴訟承継が問題となる。
2 訴訟承継
(1)訴訟係属中の訴訟物たる金銭債権の譲渡を受けたり、訴訟当事者から目的物の所有権(もしくは占有)が譲渡(設定)されたりした場合には、参加承継・引受承継の問題である。
(2)参加承継においては、承継人が訴訟への参加を申し出る必要がある (民事訴訟法49条、51条)。
3 参加承継
(1)Wが参加承継の手続を経て【①】の訴訟に参加した。
(2)その後の訴訟手続には、必要的共同訴訟に関する民事訴訟法40条1項から3項が準用される。 40条1項から3項が準用される(民事訴訟法47条4項、51条)。
4 自白の問題
(1)①の訴訟において、「Xは、甲土地所有権に基づいて建物収去明渡し請求」をするものであるから、「Aから甲土地を取得し、甲土地の所有権を得た。」という事実は請求原因あり、主要事実である。
(2)Yがこれを認めることは主張事実について認めるものであり、裁判上の自白が成立する。
5 訴訟承継の効果
(1)訴訟承継の効果として、参加承継であっても、承継人は、承継原因が生じた時までに形成された従前の当事者(前主) と相手方の間の訴訟状態を、全面的に(有利・不利を問わず) 引き継ぐ。
(2)Yが自白をした後に、Wが(ア)の訴訟に参加した場合には、WはYの自白を争えない。
第3 ②の事実
1 概要
(1)Wが参加承継の手続を経てWが参加承継の手続を経て【①】の訴訟に参加した。
(2)その後の訴訟手続には、必要的共同訴訟に関する民事訴訟法40条1項から3項が準用される(民事訴訟法47条4項、51条)。
1 参加承継の効果・必要的共同訴訟の適用
(1)共同訴訟人の一人が単独でした不利益な訴訟行為は、他の共同訴訟人に対する関係ではもちろん、自分に対しても生じない(民事訴訟法40条1項)。
(2)共同訴訟人であるY一人が単独でした自白は、Wとの関係だけでなく、Yとの関係でも効力を生じない。
第4 ③の事実
1 概要
(1)Wが引継承継の手続を経て【①】の訴訟に参加した。
(2)引受承継は、訴訟引受けの申立てに基づき、裁判所が引受決定をすることによって行われる。
(3)その後の訴訟手続には、民事訴訟法41条1項、3項が準用される(50条3項、51条)。
(4)つまり、通常共同訴訟の一種である同時審判申出共同訴訟となる。
2 引継承継の効果・通常共同訴訟の適用
(1)共同訴訟人の一人がした訴訟行為は、他の共同訴訟人に影響を与えない(民事訴訟法39条)。
(2)共同訴訟人であるY一人が単独でした自白はYとの関係で効果を生じるが、Wとの関係では効果を生じない。
以上




