民事訴訟

Q 昭和46年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。

2026/10/12 更新

第1 
 1 問題
(1)甲と乙の訴訟に、丙が独立当事者参加の申出をした。これに対して、乙は丙に対し反訴した。
(2)この場合に、丙が訴訟無能力者である場合に、どのように考えるか。
 2 訴訟係属(訴状の送達)の前
(1)訴訟係属前(訴状の送達前)に、訴訟無能力であった場合にはどうなるか。
  訴訟能力は、訴訟行為を行うのに必要な能力である(民事訴訟法28条)。
(2)独立当事者参加の申出も無効であるし、訴訟係属継続も発生しない。
(3)したがって、乙の反訴も無効である。
 3 訴訟係属(訴状の送達)の後
(1)訴訟係属後(訴状の送達後)に、訴訟無能力となった場合にはどうなるか。
(2)訴訟代理人がいない場合には訴訟行為は中断する(民事訴訟法124条1項3号、同条2項)。その後、法定代理人による訴訟の受継の問題となる。法定代理人が訴訟の受継を申し立てる(民事訴訟法126)。もしくは裁判所が続行命令を出すことになる(民事訴訟法129条)。

第2
 1 問題
(1)甲と乙の訴訟に、丙が独立当事者参加の申出をした。
(2)甲が適法に脱退した場合、乙丙間の訴訟は、甲と乙、甲と丙の請求にどのような影響をあたえるか。
 2 独立当事者参加から、二当事者訴訟への還元
(1)独立当事者参加が成立しても、相手方が同意すれば、訴訟から脱退できる(民事訴訟法48条)。
(2)脱退者については、訴訟活動の負担を免れる代わりに、その不利益を理解していることから訴訟の結果が不利益になることを承諾している。
(3)脱退の性質は、残存当事者の脱退者に対する請求については、残存当事者の当事者の訴訟による結果に委ね、その結果に整合的な判決が自身に及ぶことを認める、民事訴訟法の放棄又は認諾である。
 3 結論
(1)したがって、乙丙間の訴訟は、そもそも甲には及ばない。
(2)しかし、乙丙間の訴訟と矛盾しない範囲で、甲と乙の請求、甲と丙の請求が判断されるので、統一的な解決が図られる。
以上

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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