民事訴訟

Q 昭和53年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。

2026/09/03 更新

第1 
 1 問題
(1)甲は、土地所有権に基づいて、乙の建物収去明渡請求と、同建物に居住して占有する丙に対する建物明請求を提起し、両訴えは、同一土地所有権に基づく明け渡し請求であるから、通常共同訴訟にあたる(民事訴訟法38条)。(2)乙のみが甲乙間の賃貸借契約の成立を主張した場合、この乙の主張は、甲丙間の訴訟にも影響を及ぼすか。
 2 共同訴訟人独立の原則
(1)通常共同訴訟は、個別の事件について一定の関連性があるため (民事訴訟法38条)、 1つの手続に併合されているに過ぎない。
(2)証拠共通の原則を除いて、共同訴訟人の1人の訴訟行為は、他の共同訴訟人に影響を与えない(民事訴訟法39条)(共同訴訟人独立の原則)。
 3 主張共通は適用されない
(1)共同訴訟人の一人がした事実主張について、他の共同訴訟人が援用しない場合には、その事実主張は他の共同訴訟人に影響を与えない(民事訴訟法39条)。
(2)乙のみが甲乙間の賃貸借契約の成立を主張した場合、丙が援用しない限り、甲丙間の訴訟には影響を及ぼさない。

第2
 1 問題
 共同訴訟の一人である乙のみが証拠の申出をし、その取調べが行われた場合、この証拠調べの結果は、他の共同訴訟人の訴訟甲丙間の訴訟に影響を及ぼすか。
 2 証拠共通の原則
(1)共同訴訟人の一人が提出した証拠は、他の共同訴訟人が援用しなくても、他の共同訴訟人の訴訟の事実認定で使われます。これが証拠共通の原則です。
(2)真実は、一つしかありません。証拠共通の原則の根拠は、このように考えないと、裁判所が正しいと思える事実を認定することができなくなるからです。(自由心証主義)
 3 あてはめ
 共同訴訟の一人である乙のみが証拠の申出をし、その取調べが行われた場合、この証拠調べの結果は、他の共同訴訟人の訴訟甲丙間の訴訟でも、その証拠に基づいて事実認定ができる。
 以上

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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