Q 昭和57年度の旧司法試験の第2問の解答を教えて下さい。
2026/08/21 更新
第1
問題
(1)債権者甲が、債務者乙に代位して、丙に対し売買代金の支払いを求める債権者代位訴訟を提起した。・・・①
(2)甲の乙に対する債権の消滅時効期間が満了していても、時効の援用ができるのは、債務者乙だけである。乙は被保全債権である同債権の不存在であると争う場合に、どのような訴訟をするべきか。
独立当事者参加
(1)債務者乙は債権者代位訴訟に独立当事者参加することが考えられる。
(2)債務者乙は、債権者甲に対しては、消滅時効を理由として、甲の乙に対する債権(被保全債権)の不存在確認を定立する。・・・②
(3)上記の債務者乙の訴えは、独立当事者参加の満たすか問題となる。
4 独立当事者参加
(1)独立当事者参加するには、当事者双方または一方に対して当事者として請求を立てることが必要である(民事訴訟法47条)。
(2)具体的には、①の請求と②の請求が両立しえないといえるか問題となる。
5 あてはめ
(1)裁判所が、②について請求を認容されれば、債権者代位訴訟は訴訟要件を満たさないと判断されることになり、債権者代位訴訟の①の請求は訴訟要件を満たさず却下される。
(2)したがって、①の請求と②の請求が両立しえない。
(3)よって、債務者乙は、独立当事者参加することが考えられる。
第2
1 問題
(1)債権者甲が、債務者乙に代位して、丙に対し売買代金の支払いを求める債権者代位訴訟を提起した。・・・①
(2)代位された債権が第三者丁に譲渡されていた場合に、誰がどのような訴訟行為ができる。
2 第三債務者丙
(1)債権者代位訴訟の訴訟物は、被代位債権の存否である。第三債務者は債務者に対し有している抗弁等をすべて主張できる。
(2)第三債務者丙は、債権者代位訴訟において、債務者代位された債権が第三債務者に譲渡されているとして、債権者代位訴訟で争うことができる。
3 第三者丁
(1)第三者丁は債権者代位訴訟に独立当事者参加することが考えられる。
(2)第三者丁は、第三債務者に、譲受債権の履行請求を定立する。・・・②
(3)裁判所が、②について請求を認容されれば、債権者代位訴訟の請求は請求棄却となる。
(3)①と②の両債権の訴訟物は同じであるから、二重起訴にあたるか(民事訴訟法142条)問題となるが、独立当事参加訴訟となれば、弁論の分離ができず、それぞれの判断は矛盾しない。
(3)よって、第三債務者丙は、独立当事者参加することが考えられる。
第3
1 問題
(1)先に、債権者戊が債権者代位訴訟が提起されていた。
(2)債権者甲はどのような訴訟行為ができるか。
2 債権者代位訴訟
別の債権者が債権者本訴訟を提起した後に、他の債権者が同一の債権を被代位債権として債権者代位訴訟を提起することは二重起訴として許されない(民事訴訟法142条) 。
3 共同訴訟参加
(1)他の債権者甲は、別の債権者が提起した債権者代位訴訟に対し共同訴訟参加できるか(民事訴訟法52条)。
(2)実体上の規定なり解釈によって訴訟上の判決の効力が当事者以外に拡張されている場合には、共同訴訟参加が認められている(民事訴訟法52条)。
(3)債権者代位は、第三者の訴訟担当であるから、債権者に対する判決の効力は、勝訴敗訴に関わらず、債権者代位訴訟の当事者である債権者(115条1項1号)のみならず、当該債権の帰属者である債務者にも及ぶ(115条1項2号)。
したがって、債務者に既判力が及ぶことを通じて、別の債権者の債権者代位訴訟の判決は、他の債権者にも同判決の効力が及ぶ。
(4)債権者甲は、別の債権者戊が提起した債権者代位訴訟に対し共同訴訟参加できる。
以上




