民事訴訟

Q 第一審で全部勝訴である場合に、一部請求であったとして、上訴の利益が認められるか。

2026/09/05 更新

一部請求

(1)上訴の利益は、不服の申立てと原判決を比べて原判決が申立てを下回っているかで判断する(形式的不服説)。したがって、第一審で全部勝訴である場合に、一審原告に上訴の利益を認めることができない。
(2)しかし、前の訴訟が黙示的一部請求債権であった場合(一部請求であるとの明示を欠いていた場合)、その確定後に、債権の残部について後訴を提起することは前訴訟の既判力により許されない (最判昭和32年6月7日民集11巻6号948頁)という不利益が発生する。したがって、第一審で全部勝訴したときには、例外的にその点にも上訴の利益が認められる。

参考

 藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」509頁

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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