Q 補助参加の利益について教えて下さい。その1
2026/09/04 更新
補助参加の利益
1 補助参加の利益の定義・趣旨
(1)補助参加するには、「訴訟の結果について利害関係を有する」(補助参加の利益)を有していることが必要です(民事訴訟法42条)。
(2)補助参加の本質は敗訴責任の分担である。参加者が参加して応訴したが、被参加人が敗訴した場合、被参加者の判決主文又はこれを導く請求原因により、参加人の権利が害されるか場合に補助参加の利益が認められる。
2 補助参加の利益の要件
「訴訟の結果について利害関係を有する」は、① 補助参加人の法律上の地位(法律上の利害関係)、②訴訟の結果、③②によって③がどのような影響を受けるかを考慮して判断します。
参考
長谷部由起子「基礎演習 民事訴訟法 第3版補訂版」268頁以下。
①補助参加人の法律上の地位(法律上の利害関係)
補助参加人の法律上の地位(法律上の利害関係)について、法律上のものであれば、財産法上の利害関係に限られず、身分法上の利害関係、公法上の利害関係(例えば、刑事関係)も含まれる。
最判平成14年1月22日判時1776号67頁
「法律上の利害関係を有する場合とは、当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益 に影響を及ぼすおそれがある場合をいう」
②訴訟の結果
(1)「訴訟の結果」については、判決主文中で示される訴訟物たる権利または法律関係の存否の判断に限られる(その判断が、補助参加人の法律上の地位に、論理的な先決関係がある場合に限定する)とする見解(訴訟物限定説)と判決理由中の判断も含む(判決の理由中の判断が、補助参加人の法律上の地位に、論理的な先決関係がある場合を含む)とする見解(訴訟物非限定説)があります。
(2)訴訟物非限定説でも、「訴訟の結果」が判決理由中の判断すべてを含むと考える学説は少ない。参加的効力を持つ理由中の判断も「主要事実の判断に限られる。」という説や、「重要な間接事実を含む。」という説もあります。 (勅使川原和彦 「読解 民事訴訟法」227頁)
最判平成14年1月22日判時1776号67頁
「旧民訴法70条(民事訴訟法46条)所定の効力は、判決の主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけではなく、その前提として判決の理由中でされた事実の認 定や先決的権利関係の存否についての判断などにも及ぶ ものであるが(最高裁昭和45年(オ)第166号同年10月22日第一小法廷判決、民集24卷11号1583頁)、 この判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断とは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいうものであって、これに当たらない事実又は論点について示された認定や法律判断を含むものではない」と述べています。
(3)上記の文言からは、判決理由中の判断も含む(訴訟物非限定説)に親和的です。また、参加的効力を持つ理由中の判断も「請求原因についてに限られるという説とを採用しているかのように読めます。
③②によって③がどのような影響を与えるか。
訴訟の判決が補助参加人に対して既判力その他の法的な影響を及ぼす場合だけでなく、訴訟の判決において示された判断が、当該訴訟の当事者をはじめとする利害関係人の行動に影響を及ぼし、補助参加人が他人から裁判上または裁判外で請求を受けたり、他人に対して権利主張をすることが困難になるなどの事実上の影響を含みます。
| (1)判例が、訴訟物限定説なのか、訴訟物非限定説なのかは明確ではありません。 (2)判決の傾向としては、訴訟物限定説的な文言を使って補助参加の利益を否定する傾向にあります。 (3)また、補助参加人の保護されるべき利益が強い場合には、規範定立を避けて、具体的な事情を考慮して補助参加の利益を認める傾向にあります。 参考 越山和広「ロジカル演習 民事訴訟法 補訂版」189頁 |




