民事訴訟

Q 訴えの利益について教えて下さい。

2026/09/16 更新

訴えの利益

訴えの利益

(1)訴えの利益とは、訴訟物たる権利関係、法律関係について本案件判決をすることの必要かつ適切であることをいう。

(2)訴えの利益は、無駄な訴訟を無くして、裁判所や被告の負担を減らす役割がある。

現在の給付の訴え

(1)現在の給付の訴えは、給付を請求する地位にあるのに現に給付を受けていないと主張するものであるから訴えの利益が認められる。

(2)もっとも、既に、判決を得ている場合には、時効中断のため等の理由がない限り、訴えの利益が認められない。

形成の訴え

(1)民法770条が定める離婚事由があると裁判所が認めれば、離婚という法律関係が形成される。このような新たな法律関係の形成を求める訴えを形成の訴えという。

(2)形成の訴えについては、法律が必要であるとして個別に定めを設けたものであり、その要件を満たすと主張される限り原則として訴えの利益が認められる。

確認の訴え

(1)確認の訴えとは、ある権利関係、法律関係を確認する訴えである。
(2)確認の利益とは、ある権利関係、法律関係について本案件判決をすることが、原告の権利、法律関係に現存する不安危険を除去するために、必要かつ適切であることをいう。
(3)例えば、100万円の支払いを求める給付請求と、100万円の債権の存否だけを確認する確認の訴訟よりも紛争解決には適切であるから、確認の利益が認められるか問題となってきた。

参考
 長谷部 由起子「基本判例から民事訴訟法を学ぶ」60頁

例えば、解雇を争って、労働者の地位を確認する訴えがある。実務的には、解雇等が争われており、労働者の地位の有無に争いがあれば、確認の訴えにおける訴えの利益が認められる。  


請求の趣旨の例

1 原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2 被告は原告に対し、令和7年8月より毎月月末限り、本案判決確定に至るまで金20万円を支払え
3 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決並びに2項について仮執行の宣言を求める

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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