Q 訴訟承継と口頭弁論終結後の承継人とは何か(私見)。
2026/09/13 更新
訴訟承継
訴訟係属中の訴訟物である権利義務関係の変動によって、当事者を交代させる制度が訴訟承継である。
口頭弁論終結後の承継人
口頭弁論終結後に、その訴訟物である権利義務関係を承継した者が承継人である。
両制度の目的
1 制度趣旨
(1)訴訟係属中もしくは口頭弁論終結後に、その訴訟物である権利義務関係を引き継ぎ、形成中もしく完成した既判力を第三者が引き継いだ。
(2)今までの訴訟の結果を第三者に引き継がせなければ、再度訴訟をやり直す必要があり、原告にも裁判所にも過剰な負担となる。もっとも、第三者が訴訟結果を引き継ぐことになれば、その第三者の手続保障が問題となる。
(3)この点、実体法を適用した結果、 前訴の当事者の地位に依存する関係に立つ者は、前訴訟の紛争の影響を受けるべき者ではあるし、同当事者と別の立場で権利主張をできるわけではないから、前の訴訟結果に拘束されても手続保障を欠くことは少ない。
2 要件
(1)以下の事実を考慮して紛争主体たる地位を取得した者にあたるか判断する。
①前主の相手方に対する請求と、承継人に対する請求が同一であること
②承継人が(ア)訴訟物もしくは、(イ)訴訟物の前後関係のある権利義務(ウ)係争物の所有名義または占有を承継したこと
③承継人の地位が前主の地位に実体法上依存し、承継人は前主と別の立場で法的な主張ができる立場になく、承継人に前主の訴訟状態を承継させても、承継人の手続保障を欠くものではないこと
(2)なお、訴訟結果を引き継ぐとしても、訴訟承継については、従前の当事者(被承継人と相手方)がなれ合い訴訟をしていた場合には、信義則の観点から、従前の訴訟状態からの拘束を免れる、とされる。
これに対して、口頭弁論終結後第三者については、固有の攻撃防御方法を有する者は、口頭弁論終結後の承継人にあたらないとされる。
| 上記は、著者の私見である。 |
参考
田中豊「論点精解民事訴訟法 要件事実で学ぶ基本原理」402頁、403頁以下
| 民事訴訟法115条1項3号の承継人について、① 前訴確定判決の訴訟物である権利義務自体を承継した者、 ② 訴訟物である権利義務を先決関係とする権利義務を承継した者のみならず、③前訴の口頭弁論終結後に係争物の所有名義または占有を承継するなどした第三者が現れたときに、実体法を適用した結果、 前訴の当事者の地位に依存する関係に立つ者と判断された者を「口頭弁論終結後の承継人」 と認めているとされています。 (田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」 69頁以下。) |
| 最判昭和41年3月22日民集20巻3号484頁 同判例は、以下の①②③を要件としていると思われる(私見) ①前主の相手方に対する請求と、承継人に対する請求が同一であること ②承継人が(ア)訴訟物もしくは、(イ)訴訟物の前後関係のある権利義務(ウ)係争物の所有名義または占有を承継したこと ③承継人の地位が前主の地位に実体法上依存し、承継人は前主と別の立場で法的な主張ができる立場になく、承継人に前主の訴訟状態を承継させても、承継人の手続保障を欠くものではないこと |




