民事訴訟

Q 請求の客観的予備的併合の要件について教えて下さい。

2026/08/31 更新

予備的併合の趣旨・要件

(1)請求の客観的予備的併合は、複数の請求が両立しえない関係にあって、主位的請求が認められないことを解除条件として、予備的請求について審理を求める場合です。
(2)法律上請求が両立しない場合には、原告の両方の請求が棄却されて矛盾した判決となることを防げること、両請求をみとめることで、紛争の一回的解決が図れることから予備的請求を認める合理性が出てくる。
(3)したがって「予備位的請求と主位的請求と予備的請求が法律上両立しないことが必要とする」のが通説です。

予備的併合と実務

(1)実務では、上記のような限定はされていない。
(2)原告の請求が法律上両立しないかについて明確な基準がないこと、法律上両立しない場合であっても、原告のの意思として、どちらかの請求を先に認めてほしいという要望があり、これを認めることが合理的であるからです。(名津井吉裕ほか「事例で考える民事訴訟法 」435頁)


主位的請求が認容された場合の控訴審の範囲
(1)請求の予備的併合訴訟において、主位的請求を認容されたた原判決に対し、被告だけが上訴し、原告は上訴も附帯上訴もしなかった場合、控訴裁判所が主位的請求を認められないと判断した場合に、予備的請求の審理をすべきか。 
(2)客観的予備的請求は、主位的請求が認められないことにより解除条件が満たされ、予備的請求について審理を求める訴えであり、被控訴人の上訴により両請求が移審し、審理の対象となっている。控訴裁判所は予備的請求について審理すべきである。(藤田広美「解析 民事訴訟 第2版」386頁)

最判昭和53年3月22日判例タイムズ494号62頁
 請求の予備的併合訴訟において、主位的請求を棄却し、予備的請求を認容した原判決に対し、被告だけが上訴し、原告は上訴も附帯上訴もしなかった場合、上訴審は、予備的請求認容判決の当否だけを審理すべきで、主位的請求棄却判決の当否については審理すべきではない。

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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