判例(非上場株式の譲渡を受けて、当該会社に対しその株式を購入させることを専門に行なっていた会社が、譲渡承認請求をして、売買価格の決定の申立をすることが弁護士73条に違反しない。金融商品取引法29条に違反するものの株式取得は無効とはならない、とされた。)
2026/09/26 更新
少数株主権
非上場株式の株主は、配当の決定について影響力を持たないし、役員になることもできず役員報酬を得ることができない。したがって、その株式の取得を希望する者が現れない限り、投下資本を回収する手段を持たない。
大阪高判令和7年9月4日 判例タイムズ1547号92頁
1 事案
(1)当該専門会社は、非上場の譲渡制限株式を購入し、株式の譲渡について承認を請求するとともに、承認しない場合には買取人を指定するように求めた。
(2)非上場会社は承認の通知をしなかった。
(3)当該専門会社は、株主名簿の書換請求を行った。
(4)非上場会社は、当該専門会社を株主とは認めず、株主として招集通知を送らずに株主総会を開催した。
(5)当該専門会社は、株主であることの確認や、株主照会の招集通知に違法があるとして株主総会の決議取消しを求めた。
2 判例
(1)非上場株式の譲渡を受けて、当該会社に対しその株式を購入させることを専門に行なっていた会社が、譲渡承認請求をして、売買価格の決定の申立をすることが弁護士73条に違反しない。金融商品取引法29条に違反しないされた。
(2)専門会社が株式取得後に交渉を開始していることについては、買取資金を別に調達しており、弁護士法の回避にはあたらず、弁護士73条に違反しない。
(3)非上場株式を取得して利益を上げることを複数回繰り返していることからすれば、専門会社の行為は金融商品取引業に該当して登録をしなければすることができない。
したがって、登録を得ていない専門会社が株式を購入することは金融商品取引法29条に違反するが、株式の譲渡価格が不当に安価でもなく、その株主取得は無効だとはいえない、とされた。
大阪高判令和7年9月4日
判例タイムズ1547号92頁




