予防法務

Q ストレスのない職場を作るにはどうすればよいですか。

2026/09/06 更新

「人を採用できない。」「社員が辞めていく。」のは全て経営者の責任である。

(1)「集客さえできれば、売り上げがあがる。」「採用が上手く行けば、売り上げがあがる。」「社員が辞めなければ売り上げがあがる。」
 これは全部間違いである。
(2)本質的な問題は、客さんが求めていることと、社長がやりたいことが違うことが原因である。
(3)ビジネスモデルとして、やることと、やらないことについてメリハリをつけて、どんなに怖くても利益がでない仕事を削っていくことが大切である。
(4)例えば、「利益率を考えると、キッズカット(子供の髪を切ること)をやめるのがよい。」と思っても、一般的な美容院では、既存の美容院のイメージがあってやめることができない。
 ストレスの多い仕事であれば、その仕事のやり方を変えていくことが必要です。

徹底的に社員の苦労を取り除く

(1)経営者が、現場の苦労を徹底的に取り除くこと、ここ以外で働けないようにすること。
 言い換えれば、社員を会社に依存させてしまう関係が望ましい。
(2)経営者は、「この働き方でこれだけの給与をもらえるのはここしかない。」という環境を作らなければならない。
(3)具体的には、以下に取り組むことから始めたい。

社員が辞める理由を徹底的に無くす

(1)「人が辞める理由は、休みがない。給与が少ない。人間関係が気に入らない。」である。これを徹底的に解決する。
(2)なお、弁護士事務所の場合、依頼者、裁判官、相手方など「あたりが強い人」が多く、仕事そのものがストレスフルであることも追加したい。
(3)従業員のストレスを徹底的になくすことが大切である。

採用する社員についてイメージを持つ。

(1)有能な人は辞めて独立してしまう。能力が低い人を底上げするのも難しい。
(2)平凡な能力を持つ人の定着を狙って、他の業者の平均より少し高い給与を受け取れるような仕組みを考える。
(3)つまり、平凡な能力の社員ができる仕事で、それらの人に平均より少し上の給与をもらえる給与を確保できるような価格設定ができるビジネスを行う。

商品、サービスを選択し直す。

(1)商品、サービスを選び直す。利益が出せる分野、ストレスなく仕事ができる分野を選ぶ。
(2)再現性(誰がやっても一定の成果が出せること)、改善の余地があり、他社との差別化ができる分野を選ぶ。

集客について見直す。

(1)自社サイトにこだわる。ポータルサイト(他社が運営するサイト)は使わない。
(2)他社に集客を委ねることをしない。
(3)リスティング、インスタグラム、Xなど、本社管理で全て行える集客方法に注力する。
(4)現場では、社員にはお客様対応に集中してもらい、マーケティングは本社が行う。

社員に求めること

(1)社員に求めることは、マニュアルを守ることのみである。
(2)平凡な能力の社員ができる仕事で、それらの人に平均より少し上の給与をもらえる価格帯を設定できるビジネスを選択する必要がある。

管理職は不要である

(1)管理職が必要なビジネスモデルであれば、管理者の育成に時間がかかってしまう。
(2)トップダウンを前提に、管理職なしで機能する組織を目指す。

経営について会議はしない。

(1)現場のスタッフに売上ノルマや、事業計画の作成を押し付けない。
(2)経営課題について話し合う会議は行わない。
(3)これは、本部の責任として行う。 
(4)現場のスタッフもそれを求めていない。

参考
 北原孝彦「たった4年で100店舗の美容室を作った僕の考え方」

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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