予防法務

Q パワハラと言われない、問題社員への改善要望の伝え方を教えて下さい。問題社員と何を話し合うべきですか。(パワハラ対策・問題社員への指導問題)

2026/08/30 更新

問題社員への指導

(1)「何度も注意しているのに一向に改善しない」
「強く言うと『パワハラだ』と反論され、優しく言うと響かない…」

(2)問題社員への指導で最も重要なのは、感情的な注意(説教)をやめ、客観的な行動計画と定期フィードバックに切り替えることです。

(3)パワハラと言われずに改善を求める。万が一の際にも指導の証拠を残す「正しい面談の進め方」をまとめました。

【面談の頻度】「月1回」できれば「週1回」の短時間フィードバック

(1)問題改善において最もNGなのは「ほったらかしにして、忘れた頃にまとめて怒る」ことです。

(2)マネージャーは問題社員と積極的に関わり、短いスパン(週1回〜月1回)で「課題の達成状況」を確認する場をセッティングしてください。社員が自身の欠点を客観的に認識し、自ら変えようと努力できる環境を作ることが上司の役割です。

【課題設定のコツ】改善要求は「2〜3個」に絞り込む

 指導する際、あれもこれもと詰め込むと社員はパンクし「攻撃された」と感じてパワハラを主張しやすくなります。

・本人の最大の課題を克服するための「これだけは守ってほしい」重要課題を設定する
・部下の成長や改善を本当に期待するなら、提示する課題は「2〜3個」に絞る

【実践】A4・1枚でOK!「行動計画書」に記載すべき5項目

面談では口頭の話し合いだけでなく、A4用紙1枚の「行動計画書」を作成します。双方が合意した上で【本人の署名】をもらい、コピーを本人に手渡してください。

<計画書に書くべき5つの必須事項>

  1. 求める業務水準(解釈の余地がない客観的な数値・基準)
    ×「ミスを減らして丁寧に対応する」
    ◯「現状の平均エラー数が1日5件のため、今月中に1日3件以下に下げる」
  2. 目標達成の期限
  3. 現在、その水準に達していない理由(本人の分析・認識)
  4. 達成するために具体的にやるべきこと(改善策)
  5. 次回の面談日(間をあけずに設定する)

【指導監督の証拠化】前回の結果を振り返り、次の計画を作るサイクル

(1)面談のたびに「前回の行動計画の結果」について話し合い、できた点・できなかった点を評価して「次の行動計画」を作成します。

(2)この「面談→計画作成→結果の振り返り→再計画」というサイクルを愚直に繰り返すこと自体が、裁判やトラブル時に「会社は十分に手厚く指導監督を行った」という法的・客観的な最強の証拠になります。

改善指導記録の作成

(1)感情論でぶつかる指導はパワハラのリスクを高め、双方にとってストレスにしかなりません。

(2)「具体的な数値目標」「絞り込んだ課題」「合意済みの行動計画書」という仕組みを導入し、正当かつ効果的な指導を進めていきましょう。

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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