予防法務

Q 就活セクハラの防止策、何から始めたらよいですか。(セクハラ対策)

2026/08/24 更新

就活セクハラ

(1)令和8年10月1日施行の改正男女雇用機会均等法により、就活生(求職者)に対するハラスメント防止が企業に義務付けられます。
(2)特に注意が必要なのが「若手社員によるOB訪問」です。年齢が近い求職者に対して公私の区別がつかなくなり、悪気のないまま加害者になってしまうケースが後を絶ちません。求職者は「内定が欲しい」という立場上、不適切な誘いにも断れず迎合的な態度をとりやすいため、大きなトラブルへ発展します。


「プライベートOB訪問」の全面禁止と業務化

(1)個人の判断によるOB訪問は原告禁止とし、社内ルールとして完全に「業務」へ組み込みましょう。
  〇事前申請制  OB訪問を受ける際は必ず上司へ事前に報告・申請させる。
  〇時間の厳守  対応は10:00〜18:00の枠内(最大2時間)とし、19:00以降の接触は全面禁止とする。
  〇費用のルール 会社経費(1回1万円まで/最大5回)の範囲内で対応させ、アルコールを伴う飲食は一切禁止。
(2)会社で経費を出すことで、OB訪問を会社で把握・管理します。

「2人きり」の禁止

(1)密室化を防ぐため、原則として求職者と2人きりでの面談は禁止します。
(2)オープンなスペース(カフェや社内会議室)の指定 ・複数名での対応を原則とします。
 (例えば参加者の一人が急にキャンセルの場合は上司へ要相談です。

連絡先の交換禁止、プライベート交際の禁止

(1)連絡先はアポ調整のみに利用します。日程調整用に交換した連絡先は、目的終了後に即時削除を義務付けられます。
(2)OB訪問をきっかけとしたプライベートな食事、デート、SNSでの個人的なやり取りは厳禁です。

例外ケースは要相談

(1)元々の友人・知人から就活相談を受ける場合も、放置するとリスクになります。
(2)知人からの紹介で、就活相談をした以上は、プライベートな関係に発展させることは禁止です。
(3)判断に迷う「グレーゾーン」が発生した時点で、直ちに上司に要相談です。

最後に

 就活ハラスメント防止は、社員のモラルに頼るのではなく「密室・夜間・酒席」というリスク要因をシステムとして排除することが上司の役割です。 ルールを明確にし、部下をハラスメントの加害者にさせない体制づくりを進めていきましょう。

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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