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労使紛争

Q 人事評価制度を構築し、これに基づく賃金減額をするための手続を教えて下さい。

2026/07/26 更新

人事評価制度の構築

(1)人事評価制度を構築すれば、給与の上がる人、下がる人がでてきます。
(2)給与の減額をするには、就業規則の変更等の手続が必要です。

就業規則の変更による賃金の減額

(1) 評価制度を就業規則として導入し、従業員の給与を変更するには以下の要件を満たすことが必要です(労働契約法10条)。
 ① 賃金減額前に就業規則の変更手続をしたこと。
 ② 就業規則の変更に合理的理由があること。
 ③給与減額の根拠となる評価の規定があること。
 ④その規定に基づいて給与が減額されたこと。
(2)さらに、実際の運用としては以下のような対応をが必要です。

①賃金テーブル(給与テーブル、役職テーブル)が周知されていること

(1)賃金テーブル等を作成して、就業規則と一体のものとして従業員に周知することが必要です。

(2)従業員が書面や、社内のイントラネット等で確認できる体制が必要です。

②降格の基準が周知されていること

(1)降格の基準や、時期や手続きが明記されていることが必要です。

(2)降格すれば、給与額がいくらになるのか、明確になっていることも必要です。これがあいまいだと、給与減額の根拠が明確にできません。

③調整給等の緩和措置

(1)給与額が一度の降格で1割以上下がると、紛争に発展するリスクが増えると言われています。

(2)調整給は、一定期間に限って従前の賃金と賃金テーブル上の給与の差額の一定額を支払うものです。

(3)調整給を支払う意味は、一定期間チャンスを与えて、下がった賃金を取り戻すチャンスを与える意味があります。

④人事評価の訂正な運用

(1)個別の人事評価を行うための評価制度を構築する必要があります。

(2)目標管理シートや、行動評価シート等を導入します。

(3)人事評価について、異議申し立ての仕組みを整備していくことも有効です。

降格と賃金減額の具体的な進め方

(1)降格理由について、事情を集めて、整理します。

 欠勤、取引先や同僚との衝突、その他のミス等の情報収集です。

(2)面談して、降格の理由や、減額後の賃金について説明します。

 降格に緩和措置を設けれるのであれば、その期間や、今後の改善に向けた期待も伝えましょう。

(3)文書により、降格の理由や、減額後の賃金について通知します。

(4)降格後のフォローを行います。

 キャリアッにプ必要な助言を行ったり、対象従業員のパフォーマンスについて会社としての評価をフィードバックする機会を設けていきましょう。

 全体的な賃金体系の整備のために、給与の調整は必要であるが、対象従業員に適切なフォローをする必要があります。

参考

 ビジネスガイド2026年8月号31頁

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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