判例(公務員が、経験のない職場へ係長として異動となり、部下からも上司からも適切な対応をされずに孤立し自殺したところ、精神障害の発症とこれによる自殺について、公務起因性が認められた。)
2026/08/30 更新
福岡地判令和7年12月5日判例タイムズ1546号146頁
1 概要
(1)公務員が自殺した。
(2)公務員が精神障害を発症したことと、これによる自殺について、業務起因性が認められるとして、公務労災認定請求をした
(3)地方公務員労災補償基金は、公務外認定処分をした。本件公務員の遺族が公務外認定処分の取消訴訟を提起した。
2 公務起因性
(1)平成5年4月に、市役所に入所した。
(2)平成25年4月に、経験のない工業振興に係長として異動となった。
部下の係員は反抗的で質問しても、「自分で考えて下さい。」等としか回答しなった。
上司の課長はぶっきらぼうな態度を示し、都合が悪くなると責任回避的な言動を繰り返しいた。
経験のない職場へ係長として異動となり、部下からも上司からも適切な対応をされずに孤立していった。
(3)時間外労働については、20時間以内であった。
(4)平成27年9月末には、職場でも家庭内でも元気がなく、ぼんやりしておりうつ症状の症状をしていた。
(5)令和27年10月、同人は自殺した。
(4)これらを総合的に考えると、質的過重性は強度である。
(5)公務員のうつ病の発症しも、公務員の自殺にも、公務起因性が認められる。
(6)よって、公務外認定処分を取り消す、と判決した。
福岡地判令和7年12月5日
判例タイムズ1546号146頁




