労使紛争

Q 試用期間中の社員が、ミスが多く解雇したいときにどうすればよいのか。

2026/09/12 更新

試用期間の法的性質

(1)試用期間の満了は有期雇用の雇用契約の満了とは異なります。期間満了だけを理由にして雇用契約を終了させることはできません。
(2)試用期間の満了を理由とする雇用契約の終了は一種の解雇です。普通解雇と比べると要件が緩和されると言われているが、合理的理由が必要となります。また、解雇ですので、解雇予告手当の支払い義務も問題となります。

 試用期間満了による雇用期間の終了には、解雇の手続を経ることが必要です。 

ミスが多く解雇したいときにどうすればよいのか。

(1)まずは、会社として率直に、ミスが多いと思っていることを従業員にフィードバックすべきです。
(2)試用期間満了後まで改善されなければ、本採用できない、と伝えることが大切です。
(3)可能であれば、今までのミスの内容を記載したうえで、上記について伝えるべきです。

退職勧奨をした方がよいのか。

(1)現実論として、短期間でミスが減るというのは考えにくいところです。

(2)したがって、「来月から来なくてよいが、給与は出勤してきたと同額を支払う。」その条件に納得して、退職に応じるとの同意書にサインしないか。

(3)「ミスの頻度を見ても、今の仕事は君には合っていない。」「短期的にミスが減る見込みもない。」「したがって、は給与をもらいながら転職した活動した方が得である。」という形で説得することが考えられます。

定期的なミーティングをする。

(1)毎週1時間ほど時間をとって、今週の出来栄えについてフィードバックすることが必要です。

(2)どの点を改善するか約束して、その点が守れていたか、話し合いましょう。

(3)誰でも、欠点を指摘されるのは嫌なものです。これを繰りえして、自発的な退職を促してもよいでしょう。

試用期間の満了1週間前の判断

(1)試用期間の満了1週間前には、本採用するかどうか、判断してその内容を伝えましょう。

(2)試用期間の延長をするかどうかは、判断が難しい問題です。就業規則の根拠がなく試用期間の延長を認めた判例もありますが、就業規則等の根拠なく試用期間を延長することは違法となる可能性があります。

(3)もっとも、試用期間の延長後も、社員を退職させるには解雇事由が必要になります。
 つまりは、原則として「指導」を繰り返したが、「一般的な基準」に達しなかったことが必要であり、その証拠づくりが必要になります。

参考

 ビジネスガイド2026年10月号89頁以下

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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