民事訴訟

Q 判決(既判力)が及ぶ人的範囲を教えて下さい。

2026/10/04 更新

既判力が及ぶ人的範囲

(1)既判力は、当該確定判決に係る訴訟の当事者に限られるのが原則です。

(2)民事訴訟法115条1項に規定される者や訴訟脱退者(民事訴訟法48条、50条、51条)にも拡張して及ぶ。

第三者の訴訟担当(民事訴訟法114条1項2号)

(1)第三者の訴訟担当の訴訟(の既判力)は、訴訟当事者だけでなく、被担当者にも及ぶ(民事訴訟法114条1項2号)。任意的訴訟担当も、法廷訴訟担当も同じである。
(2)例えば、債権者代位は第三者の訴訟担当であるから、債権者代位訴訟の当事者である債権者(民事訴訟法115条1項1号)のみならず、当該債権の帰属者である債務者にも及ぶ(民事訴訟法115条1項2号)。
(3)選定当事者(民事訴訟法30条)は第三者の訴訟担当であるから、選定者にも及ぶ(民事訴訟法115条1項2号)。

口頭弁論終結後の承継人(民事訴訟法114条1項2号)

(1)前訴の訴訟物である権利義務関係等を譲り受けた者は、口頭弁論終結後の承継人です。
(2)相続人、吸収合併存続株式会社など前主の法的地位を包括的に引き継ぐ包括承継人は 承継人にあたる。 また、前訴判決の訴訟物たる金銭債権の譲渡を受けたり、訴訟当事者から目的物の所有権(もしくは占有)の譲渡(設定)を受けた者は、口頭弁論終結後の承継人です。

請求の目的物の所持者(民事訴訟法114条1項3号)

(1)「請求の目的物を所持する者」は、訴訟の当事者とは別に、独自の利害関係を有しない者です。
(2)訴訟当事者から、その目的物を預かっているだけの者等がこれにあたります。

大阪高判昭和46年4月8日判例時報633号73頁
 前訴の口頭弁論終結前に、訴訟の目的物について登記を得た。しかし、その権利移転が通謀虚偽表示であって法律上の根拠がないときには、民事訴訟法115条1項4号の他人のために目的物を所持する者として、前訴の既判力が及ぶ。

民事訴訟法115条 確定判決等の効力が及ぶ者の範囲
1項 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
一 当事者
二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
2項 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

参考

 安西明子ほか「民事訴訟法〔第3版〕 (有斐閣ストゥディア)」199頁以下
 小林秀之「新法学ライブラリ 10 民事訴訟法 第2版」362頁以下
 


 

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

「民事訴訟」トップに戻る

Contact.お問い合わせ

ご質問・ご相談などお気軽に
お問い合わせください。

現在「Google削除請求」「離婚」「不倫・既婚者慰謝料請求」「貞操権侵害慰謝料請求」「アスベスト給付金」「B型肝炎給付金」「時効援用通知の作成」「(近畿圏以外の)原状回復」のご相談受付は一時停止しております。