判例(類似必要的共同訴訟において、敗訴者の一人が上訴した場合上訴していない敗訴者の訴訟も上訴審に移審する。したがって、上訴した敗訴者の訴訟との合一確定の限度で、上訴していない敗訴者の訴訟も変更することも許される。)
2026/10/27 更新
共同訴訟人の一人が上訴した場合
(1)共同訴訟人の一人がした有利な訴訟行為は全員に対して効力が生じます。固有必要的共同訴訟では、一人が上訴すれば、当該訴訟は全体として上訴審に移審する(民事訴訟法40条1項)。
(2)これに対して、類似必要的共同訴訟においては、共同訴訟人の一人が上訴した場合については、「原判決は確定しないが、他の共同訴訟人は上訴にならない。」という判例があります。つまり、上訴しなかった共同訴訟人も上訴するが、訴訟費用を負担せずに、上訴での訴訟活動を他の共同訴訟人に委ねるのと同じ結論となります。
しかし、「上訴しなかった共同訴訟人の事件が上訴審に移審するのに、上訴しなかった共同訴訟人が上訴人にならない。」とすることは論理的な一貫性を欠くもしくは、上訴しなかった共同訴訟人の事件が上訴審に移審する理屈が不明確だとされます。(参考 「民事訴訟法判例百選(第6版)201頁)。)
(3)固有必要的共同訴訟でも、今後、判例がどのように考えることにあるのか問題となります。
最判9年4月2日民集51巻4号1673頁
住民訴訟(類似必要的共同訴訟)において、敗訴者の一人が上訴した場合上訴していない敗訴者の訴訟も上訴審に移審する。したがって、上訴した敗訴者の訴訟との合一確定の限度で、上訴していない敗訴者の訴訟も変更することも許される。
また、自ら上訴をしなかった共同訴訟人は、上訴人にはならない。
最判12年7月7日民集54巻6号1767頁
株主代表訴訟(類似必要的共同訴訟)において、敗訴者の一人が上訴した場合上訴していない敗訴者の訴訟も上訴審に移審する。したがって、上訴した敗訴者の訴訟との合一確定の限度で、上訴していない敗訴者の訴訟も変更することも許される。
また、自ら上訴をしなかった共同訴訟人は、上訴人にはならない。
参考
長谷部由起子「基本判例から民事訴訟法を学ぶ」265頁以下




