民事訴訟

Q 司法試験、予備試験の出題範囲について、どんなことが分析できますか。

2026/10/29 更新

令和8年から令和4年までの法試験の出題傾向

項目                    司法試験予備試験備考
管轄/事物管轄と土地管轄令和8年実務的なテーマの出題
当事者の確定令和4年
訴えの利益/確認の利益令和7年
当事者適格/明文なき任意的訴訟担当令和6年令和4年
(権利能力なき社団)
頻出論点
二重起訴令和4年
弁論主義/第一テーゼ令和8年頻出論点
弁論主義/第二テーゼ(裁判上の自白)令和6年、令和4年頻出論点
弁論主義/主張事実令和7年頻出論点
弁論主義/釈明権の行使令和7年頻出論点
訴訟上の和解令和5年
訴えの取下げ令和5年
訴えの変更令和5年
既判力/既判力の作用令和4年
既判力/遮断効令和8年、令和6年頻出論点
既判力/反射効令和8年判例で否定された反対説の出題
証拠法/時期遅れた攻撃防御方法令和6年頻出論点(証拠)
証拠法/文書提出命令令和8年令和7年頻出論点(証拠)
証拠法/違法収集証拠令和5年証拠法の出題
証拠法/証明妨害令和7年証拠法の出題
証拠法/データの証拠調べ令和4年証拠法の出題
通常共同訴訟令和8年頻出論点
通常共同訴訟と主観的追加的変更令和4年
令和8年
判例で否定された反対説の出題
通常共同訴訟と主張共通令和8年判例で否定された反対説の出題
固有必要的共同訴訟令和7年令和4年頻出論点
補助参加と訴訟告知令和5年令和6年頻出論点
訴訟上の相殺/相殺と二重起訴令和7年
上訴/不利益変更禁止の原則令和5年

対策

1 出題傾向

(1)令和8年から令和4年の出題傾向を表にしてみた。
(2)黒色は、頻出論点である。
(3)黄色は、証拠法の出題である。
(4)赤色は、判例で否定されている反対説の出題である。

2 出題傾向から分かること
(1)知識としては、よく出る論点(当事者適格、弁論主義、既判力、通常共同訴訟、固有必要的共同訴訟、補助参加と訴訟告知)と基本的な論点のだけ把握しておけば、合格レベルに知識として100%カバーすることができる。
(2)私見としては、予備試験の「令和8年の相殺と二重起訴」は細かい論点であったが、それ以外は基本的な論点であった。
(3)もっとも、基本的知識とはいえ、基本書を読むだけで、その概念を理解することは難しいので、旧司法試験と予備試験の問題をつぶすことをお勧めしたい。
 なお、旧司法試験そのものの解答を作ることまでは不要であり、解答を読んで必要な限りで、基本書や判例集を勉強するのが有益だろう。

3 反対説
(1)判例で否定されている反対説(有力説)についても出題されるのが新しい傾向である。
(2)少なくとも、よく出る論点(弁論主義、既判力、反射効、通常共同訴訟)については、反対説(有力説)についても理解しておくのが無難である。
(3)過去問で出題された範囲は勉強すべきであるが、それ以上は勉強すべきではない。なぜなら、それをやり始めると勉強の範囲が無限に広がってしまうからである。

4 証拠法
(1)証拠法についても、出題されるのが特徴である。
(2)この点については、以下の本で重点的に扱われている分野のみ勉強しておくことをお勧めする。
 (特定のテーマをピックアップしている本を活用して、みんなが重要だと思っていることが、重要なテーマだと考える考え方である。)
 小林秀之「新法学ライブラリ10 民事訴訟法 第2版」
 田中豊 「論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕」
(3)具体的には、以下のテーマに限り深く勉強することをお勧めしたい。

証拠法の項目出題
違法収集証拠司法試験令和5年
反対尋問を経ていない陳述書
文書の真正司法試験平成19年、平成24年
データと証拠調べ    司法試験令和4年
自白契約と証拠制限契約  旧司法試験昭和48年の第2問
証明妨害        司法試験平成20年、令和7年
事案解明義務
文書提出命令司法試験平成30年、令和元年、令和7年
予備試験令和8年
時期に遅れた攻撃防御方法司法試験平成19年、令和3年
予備試験令和6年


まとめ(勉強方法)

(1)論点(のインプット)としては、基本的知識とはいえ、基本書を読むだけで、その概念を理解することは難しいので、旧司法試験と予備試験の問題をつぶすことをお勧めしたい。
 なお、旧司法試験そのものの解答を作ることまでは不要であり、解答を読んで必要な限りで、基本書や判例集を勉強するのが有益だろう。

(2)通説(判例)で否定されている有力説についてどこまで勉強するか悩むところではある。しかし、過去問で出題された範囲は勉強すべきであるが、それ以上は勉強すべきではない。なぜなら、それをやり始めると勉強の範囲が無限に広がってしまうからである。

(3)証拠法については、一定のテーマに限って勉強するのがよいだろう。

実務的なテーマについて

(1)例えば、令和6年度のテーマとして、自白が問題となる主張とは、訴状、答弁書、準備書面(以下、「主張書面」という。)に事実が記載されて、期日にて、当事者が「準備書面のとおり陳述します。」と口頭で述べられたものであることの理解が求められている。
(2)したがって、民事訴訟法の実務についての理解が求められている。
(3)採点実感などでは、民事訴訟法の実務への理解を要求する記載が毎年でている。


弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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