民事訴訟

Q 昭和37年度の旧司法試験の第1問の解答を教えて下さい。

2026/10/04 更新

第1
 1 問題  
  訴訟の係属中に、当事者が死亡した場合に訴訟はどうなるのか。
 2 当然承継
(1)訴訟係属後に、当事者が死亡した場合には当然承継が生じ、訴訟の当事者は相続人に変動する。
(2)訴訟代理人がいない場合には、当事者の死亡によって訴訟手続は中断する(民事訴訟法124条1項、2項)。
 当事者が訴訟の受継を申し立てる(民事訴訟法126)。もしくは裁判所が続行命令を出すことになる(民事訴訟法129条)。
(3)訴訟代理人がいる場合には、訴訟手続きは中断しない(民事訴訟法124条2項)。新当事者は受継の手続をとる必要もない。

第2
 1 問題
  訴訟の係属中に、原告が係争中の債権を第三者に譲渡した場合に訴訟はどうなるか。
 2 被告の債権喪失の抗弁
(1)被告としては、原告が債権を譲渡したので、債権喪失の抗弁を主張し、原告の請求の棄却を求めることができる。
(2)しかし、これでは、原告と被告の訴訟の既判力は、債権を譲り受けた第三者に及ばない。したがって債権を譲り受けた第三者から訴訟を提起されるリスクがある。
(3)被告は、債権を譲り受けた第三者に対し引受承継の申立てをすることが考えられる。
 3 引受承継
(1)引受承継は、訴訟引受けの申立てに基づき、裁判所が引受決定をすることによって行われる。その後の訴訟手続には、民事訴訟法41条1項、3項が準用される(民事訴訟法50条3項、51条)。
(2)つまり、通常共同訴訟の一種である同時審判申出共同訴訟になる。

第3
 1 問題
  訴訟の係属中に、被告が係争の債務を弁済した場合に訴訟はどうなるか。
 2 弁済の抗弁
(1)被告としては、弁済によって債務が消滅したとして、弁済の抗弁を主張できる。
(2)当事者が弁済を主張し、裁判所は同事実を認定すれば、原告の請求は棄却される。
 以上

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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