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労使紛争

社員が突然出社しなくなって、無断欠勤が続く場合、会社はどうしたらよいのか。

2023/04/12 更新

無断欠勤

 社員が突然出社しなくなって、無断欠勤が続く場合、会社はどうしたらよいのか。

雇用保険上の離職理由

(1)雇用保険上は、当該会社で働く意思のないことを態度で表明したと認められる場合には、自己都合退職として取り扱ってもよいことになります(昭和23年3月31日基発513号)。
(2)以下の事実確認をしっかりやっているケースでは、雇用保険上の退職理由については、「自己都合退職」としてもよいことになります。

参考

 安西愈「トップ・ミドルのための 採用から退職までの法律知識〔十四訂〕」 917頁

会社としての対応①(事実確認)

(1)社員が突然出社しなくなって、無断欠勤が続く場合、会社としては、社員の住所に赴いたり、両親に電話したりする等して、病気、事故等の理由で出社できない状態になっていないか、確認する必要があります。
(2)例えば、病気で出社できない場合には、休職の検討をしなければなりません。

基礎知識(自然退職)

(1)「2週間程度、社員と連絡が取れずに欠勤が続く場合には当然退職とする。」との就業規則の定めがある場合があります。
(2)同規定に基づいて退職させたが、後日、本人が事故に巻き込まれていて連絡が取れない状態であったことが判明した場合には、退職が無効になることがあります。
(3)裁判上は、「無断欠勤を理由とする自然退職は、実質的な解雇である。」として扱われます。つまり、当該社員を解雇する合理的な理由がなければ解雇ででないからです。
(4)上記の規定がある場合にも、事実確認が必要です。

基礎知識(裁判のリスク)

(1)前述したように、無断欠勤を理由とした退職は、「無断欠勤を理由とする自然退職は、実質的な解雇である。」として扱われます。

(2)なぜなら、自己都合退として扱うには、社員から「退職したい。」という意思表示があったことが必要となりますが、無断欠勤の場合にはこれがありません。出勤しない事実をもって、「社員が退職を申し出た。」と解釈することはできないからです。

(3)また、社員がミスをして叱られて、そのまま次の日から出社しなくなるケースもあります。その場合に、上司が「明日から来なくて良い。」と発言したことが後日判明することもあり、無断欠勤といえるか微妙なケースもあります。

会社としての対応② 内容証明の送付

(1)次に、会社としては、社員に対し「出社を命じる。」旨の内証証明を送るべきです。
(2)内容証明その他の手段で出社を命じたことを記録化し出社の機会を与えたことや、出社しない他の理由(事故や病気)がないことを調査したことを証拠化した上で、退職手続を行うべきです。
(3)退職手続については、内容証明を送ってから2週間、できれば1ヵ月は様子を見た方がよいでしょう。
(4)事実確認をしっかりやっているケースでは、雇用保険上の退職理由については、「解雇」でも、「自己都合退職」でもよいことになります。

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