行動科学マネージメント
2024/09/01 更新
行動科学マネージメント
(1)行動科学マネージメントは、行動に注目するマネージメント手法です。
(2)私見としては、「1分間マネジャー」というマネージメント手法とよく似ています。
従来のマネージメントとの違い
(1)従来のマネージメントは、目標設定、動機付け等の先行条件(行動をとる前の環境)に重点を置いていました。
(2)従来のマネージメントは、売り上げ等の「結果」に重点を置いていました。
(3)従来のマネージメントは、賞与等の「遅い」フィードバックに重点を置いていました。
参考
石田 淳 「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」 116頁
石田 淳 「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」 146頁
行動科学マネージメントの特徴
(1) 結果を導く「行動」を管理(マネージメント)するという特徴があります。
(2)「(良い)行動」を直ちに「ほめる」ことで、部下が行動を繰り返すことを目的にします。
(3)例えば、「太ると分かっているのに、ケーキを食べてしまう」という行動があります。おいしいケーキを食べて楽しい時間という「直近のフィードバック」(プラス時間)と、太るという「遠いフィードバック」(マイナスの結果)を比べたときに、人は「直近のフィードバック」に支配されます。
参考
石田 淳 「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」 113頁以下
ハイパフォマー向けの手法ではない。
(1)結果に結びつく行動を明確化して、部下にその行動をとってもらう手法です。
(2)「ハイパフォーの場合には好きにやらせる自由(権利)を与える。」「周りとの調整役を務める。」というのがマネジャーの仕事になります。
(3)以下の方法は、ハイパフォマー向けの手法ではありません。
目標とする行動の明確化
(1) 目標とする行動は、外部から観察できるものでなければなりません。
(2) 目標とする行動は、結果に直結するものではなければなりません。
(3) 目標とする行動は、ピンポイントでなければなりません。
※ 全ての行動を目標としても、焦点がぼやけます。行動を分解して、「結果」に直結する行動を目標とします。
× 「映画のチケットを売るときに、」
〇 「レジでお客様の注文を打ち込んだときに、『 』と言う。」
(4) 行動について、あいまいな表現はしてはいけません。
× 皿を洗う
〇 スポンジに洗剤をつけて、皿の裏面と表面の全体をしっかりとこする。
(5)目標とする行動は、「いつ」「何をするのか。」が明確になっていなければなりません。
結果の観察とフィードバック
(1)部下の行動をしっかりと見ておく必要があります。
(2)部下がその行動をしたときには、60秒以内にほめる必要があります。
60秒を過ぎると、部下の行動をほめても長続きしないそうです。
(石田 淳「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」 159頁)
(3)4つほめたら、1つ叱る(4対1)のがよい、とのことです。
ネガティブなフィードバックは割合を少なくしなければなりません。
(石田 淳「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」 125頁)
チェックリスク
目標とする行動のチェックリストを作ることも推奨されています。