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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

割増賃金の基礎となるべき賃金

2022/05/08

残業代の計算

(1)残業代は、以下の計算式で計算します。
 未払いの残業代=
 1時間当たりの賃金 × (時間外の)労働時間 × 割増率 - 既払いの残業代

(2)1時間当たりの賃金は、以下の計算式で計算します。
 1時間当たりの賃金 = ①割増賃金の基礎となるべき賃金÷②月平均所定労働時間

割増賃金の基礎となるべき賃金

(1)労基法37条5項、労基法施行規則21条は、「割増賃金の基礎となるべき賃金に含まれない賃金(除外賃金)」を定めまいます。これは限定列挙です。つまり、これらに該当しない限り、割増賃金の基礎となるべき賃金にあたることになります。
(2)なお、固定残業代、残業手当は「割増賃金の基礎となるべき賃金」に含まれません。
 逆に、会社主張の「固定残業代」について、裁判所が残業代の支払いであることが認められないと判断した場合には、その手当は、「割増賃金の基礎となるべき賃金」となっていしまいます。
(3)通常業務とは離れて特別な業務をしたことについての手当、例えば、掃除手当、草取り手当は、「割増賃金の基礎となるべき賃金」に含まれます。

割増賃金の基礎となるべき賃金に含まれない賃金(除外賃金)

(1)労基法37条5項、労基法施行規則21条は、以下の手当については、「割増賃金の基礎となるべき賃金に含まれない賃金(除外賃金)」であると定めます。
(2)なお、手当の名称ではなく、どういった事情がある場合にどうやって計算される手当なのか、実質的に判断されます。

家族手当

(1)家族手当は、扶養家族の人数を計算して支給される賃金です。
(2)しかし、雇用契約時に「総額30万円を支払う。」としか約束がされておらず、子供が成人しても、家族手当が支給され続けているようなケースでは、本当に家族手当の合意があったのか、問題になります。

通勤手当

(1)通勤手当は、マイカー通勤者に対し、ガソリン代の補助の趣旨で1万円を出している場合や、公共交通機関を利用している者にその相当額を支払う手当です。
(2)通勤手段を考慮せずに、全従業員に1万円を支給しているケースは通勤手当にあたりません。
(3)徒歩・自転車の従業員に対し他の従業員との公平を考えて1万円を支給しているケースは通勤手当にあたりません。

別居手当

 単身赴任等をしてもらい、借家等を借りる負担について、借家の賃料の補助の趣旨で支払われる手当です。

子女教育手当

 子供の学費の補助として支給される手当です。

住宅手当

 住宅ローンの補助や、借家の賃料の補助の趣旨で支払われる手当です。
 住宅所有の有無や、賃貸の事実に関わりなく、一律に支給される手当は、住宅手当にあたりません。

臨時に支払われた賃金

(1)通勤手当等は、労働の内容や量との関連性が弱い賃金であるために、「割増賃金の基礎となるべき賃金に含まれない賃金(除外賃金)」とされます。しかし、労基法37条5項、労基法施行規則21条は、「割増賃金の基礎となるべき賃金に含まれない賃金(除外賃金)」を定めますが、これは限定列挙です。つまり、これらに該当しない限り、割増賃金の基礎となるべき賃金にあたることになります。
(2)①労働の内容や量との関連性が弱い賃金であること、②毎月定額で支払われている賃金でないない場合には、「臨時に支払われた賃金」(除外賃金)にあたるか検討します。
(3)②について、皆勤手当や、無事故手当も、毎月1万円支払われている状態では、「臨時」の賃金ではないために、 「臨時に支払われた賃金」(除外賃金)にあたりません。

参考

 佐々木宗啓ほか(編)「類型別 労働関係訴訟の実務」93頁以下

厚生労働省の「割増賃金の基礎となるべき賃金」のパンフレット

(1)厚生労働省は、「割増賃金の基礎となるべき賃金」について以下の資料を出しています。
 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-5a.pdf
(2)裁判では、「労働の内容や量との関連性が弱いかどうか」実質的な判断がされていますので、上記のパンフレットと少し印象が違うと思う方もいるかもしれませんが、これは矛盾するものではありません。

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