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残業代の計算

判例(歩合給の計算式で計算された額を残業代として支払うこと)

2023/08/02 更新

固定残業代

(1)固定残業代とは、会社と従業員との合意を根拠に、特別な手当を残業代として支払うものです。

(2)固定残業代が残業代の支払いとして認められるためには、①基本給と残業代の区分けが明確であること(判別要件・明確区分性)、②当該手当が残業代として支払われているとの合意(対価性)が必要です。

最判平成29年2月28日(民集255号1頁、判タ1436号85頁)

(1)最判平成29年2月28日(民集255号1頁、判タ1436号85頁)は、売上高等の一定割合に相当する金額を残業手当相当の支払いとする規定は一律に無効とはいえない。と判断しました。

(2)最判平成30年7月19日(民集259号77頁、判例タイムズ1459号30頁)は、「(固定残業手当を含む)当該手当の支払いが、時間外労働等に対する対価として支払われていたといえるか、については契約の内容(当事者の合意)によって決まること」、「契約の解釈は、契約書等の記載のほか、会社の説明、従業員の勤務内容等その他を考慮して認定されること」を示した判例です。

(3)つまり、(歩合給の方法で計算されていたとしても)当該手当の支払いが、当事者の合理的解釈(契約の解釈)として、「時間外労働等に対する対価として支払われていた。」と評価できる場合には、残業代の支払いにあたるということになります。

令和2年3月30日判決(判例タイムズ1476号49頁)

1 結論

 令和2年3月30日判決(判例タイムズ1476号49頁)は、以下 の賃金体系について、残業代の支払いに当たらない、と判断しました。

2 賃金体系

 問題となった賃金設計は以下のとおりです。(なお、実際の事例より簡略化させています。)

支給額 =  基本給等
      +割増賃金
      +歩合給(=対象額A-割増賃金)
      なお、対象額A=売上高等の一定割合に相当する金額

     つまり、実質的な支払額は、基本給等 + 対象額Aとなる。

3 裁判所の指摘する問題点

(1)歩合給の計算式で計算された額を残業代として支払うのであれば、「同手当が歩合給について支払名目を変えたものである。」という批判を避けて、「残業代の支払いである。」と評価する事情が必要になります。

(2)本判決は、「本件賃金規則の定める上記の仕組みは,その実質において,」「元来は歩合給として支払うことが予定されている賃金(対象額A)を,その一部につき名目のみを割増金に置き換えて支払うこととするものというべきである」と評価して、残業代の支払いにあたらない、と判断しました。

(3)判例タイムズ号1509号46頁では、本判決について、「時間外労働等に伴い発生する残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり、歩合給が0円となることもあるという計算方法について、実質的には出来高払制度の下で元来は歩合給として支払うことが予定されている賃金を、時間外労働等がある場合にはその一部を割増賃金に置き換えて支払うこととするものというべきと評価して対価性を否定」された事案である、と評価しています。

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