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残業代の計算

【業場外みなし労働時間制】「事業場外労働のみなし労働時間制」の概要

2024/02/18 更新

事業場外労働のみなし労働時間制の概要

(1)事業場外労働のみなし労働時間制は、社員が①事業場外で仕事をし、②労働時間の把握が困難である場合には、社員の過半数代表との間で合理的な労働時間を合意すれば、その時間労働したものとして残業代等を計算する制度です(労働基準38条の2の1項)。
(2)②労働時間の把握が困難であることが必要です。したがって、会社が、IT機器等を使って労働時間を把握可能であれば、事業場外労働のみなし労働時間制の適用はありません。

事業場外労働のみなし労働時間制の利用

 外回りの営業職や、テレワークのについて在宅社員に適用することが多いです。

事業場外労働のみなし労働時間制の手続

(1)事業場外労働のみなし労働時間制を適用する場合には、③社員の過半数代表との間で、合理的な労働時間について労使協定を締結することが必要です。
 ④その労使協定は、周知する必要があります(労基106条1項)。また、、法定時間外労働を超えるみなし時間を協定した場合には、労働基準監督書に届け出る必要があります。

参考

 佐々木宗啓ほか「類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕I 」238頁

事業場外労働のみなし労働時間制の効果

 実際の労働時間が、労使協定の労働時間を超えても、協定に定められた時間を越えた分の時間外割増賃金は発生しません。

事業場外労働のみなし労働時間制の本質

(1)事業場外労働のみなし労働時間制は、時間外労働を発生させない仕組みではありません。また、成果主義的な賃金制度を導入する仕組みでもありません。
(2)事業場外労働のみなし労働時間制は、社員と合意に基づいて、実際にかかる労働時間を推認する制度です。(3)仮に、事業場外労働のみなし労働時間制の適用がない場合には、実際にかかった労働時間を計算することになります。しかし、労働時間の把握が困難であれば、何らかの方法で労働時間を推認して合理的な時間を認定していくしかありません。
 この場合に計算される労働時間と、社員と合意した労働時間はおおよそ同じであるはずです。あくまでも、事業場外労働のみなし労働時間制は、社員と合意に基づいて、実際にかかる労働時間を推認する制度です。

労働基準法38条の2
1項 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
2項 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
3項 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

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