固定残業代のメリット・デメリット

固定残業代

　固定残業代は雇用契約書に「月給は○○円、これに加えて、固定残業代として、＋３万円を支給する。」と記載する制度であります。

固定残業代のメリット

（１）時間単価で給与額が決まると、ゆっくり仕事をした方が得になります。経営者からすれば、スピーディーをした方が得になるように給与を設計したい、というニーズがあります。

（２）残業の有無で給与額が大きく変動すると従業員の生活が安定しない。固定残業は残業の有無に関わらず、給与を一定額にできて、会社のキャッシュと従業員の生活が安定させることができます。

固定残業代のデメリット

（１）固定残業代が否定されると、固定残業代は基本給として支払ったことになり、残業代を全く支払ってこなかったことになります。

（２）給与相場は、残業代を含めた総額で決まります。経営者とすれば、給与総額を残業込みの金額を支払っているという認識です。

（３）例えば、「基本給３０万円で、平均残業代が５万円であった。」ところ、「基本給２０万円、固定残業代１５万円」として支給していたが「固定残業代が否定されれば、残業代が未払いになります。追加で残業代相当額を支払う。」リスクが生じます。

（４）特別な理由がない限り、固定残業を利用するのはデメリットの方が大きいといえます。

IT機器の普及

（１）IT機器が普及し、設定をすれば、時間を計算して給与額を算出することが容易になりました。

（２）したがって、給与計算を簡略化するために、固定残業を導入するというメリットは少なくなってきています。