転職者の名刺データの持ち出しと、個人情報保護法違反
2024/07/21 更新
転職者の名刺データの持ち出し
(1)退職した社員が名刺データを持ち出して、個人情報データベース等不正提供等罪の成立がすることがあります。
(2)会社が管理している名刺情報は、その会社の個人情報保護法上の「個人情報データベース等」に該当します。
転職先の会社が、これらの情報を取得することは、個人情報保護法が禁止する「不適正取得」「不適法利用」に該当することがありえます。
(3)また、同条は、不正競争防止法上の営業秘密にも該当します。
転職先の会社が、これらの情報を他社の営業秘密であると知りながら利用を続ければ、不正競争防止法が禁止する「不正競争」に該当することがありえます。
転職先の会社のリスク
(1)転職した社員が、転職元の営業秘密を不当に持ち出して、その営業秘密を使って業務をしていた場合、後日、そのことを転職先の会社が知れば、その営業機密は使えません。会社としては、営業秘密を使ったプロジェクトを中止する必要性にも迫られます。
(2)会社としては、転職者が転職元の営業秘密を持ち出して業務に利用していないかをチェックする必要があります。
転職先の会社の責任
(1)会社としては、転職者が、転職元の会社で使ってい名刺情報(個人情報)を利用して業務をしていないか、チェックする必要があります。
(2)また、会社は転職者に上記の行為が違法であり、当該行為が禁止されることを入社に説明する必要があります。
個人情報保護委員会のHP
https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/231116/
参考
ビジネスガイド2024年2月号44頁