Q 粉飾決算の手口と見分け方を教えて下さい。
2025/11/01 更新
粉飾決算
(1)粉飾決算は、赤字を黒字化させる決算です。
(2)中小企業では、金融機関の借り入れを有利にするために行われたりします。
(3)棚卸し等を適当にしていると、意図せず粉飾決算と同じ状態を作り出すこともあります。
粉飾決算の手口を知っていることは、正確な会計の把握に役立ちます。
(4)粉飾決算の手口は以下のものがほとんどです。
売掛金を増やす
(1)通帳に入金されたお金(収入)は粉飾できません。
(2)逆に、売掛金は今後入ってくる予定のお金ですから、簡単に水増しできます。
期末の棚卸を増やす
(1)売上原価=期首棚卸高+仕入高−期末棚卸高で計算します。
(2)期末の期首棚卸高を水増しすれば、変動費が下がることになります。
買掛金を減らす
(1)買掛金は、今後支払うべき予定のお金ですから、簡単に無いことにできます。
(2)これがないことにすれば、売上原価や販管費を下げることができます。
役員の給与を減らして、役員貸付金とする
(1)これはよくある、粉飾の一つとです。
(2)役員報酬を減らして、その分を役員に貸付金とするものです。
(3)役員報酬と販管費を下げることができます。
粉飾と見抜き方
粉飾された決算書には、以下のような特徴があります。
粉飾された貸借対照表

粉飾された損益計算書

預金(通帳)は嘘をつかない
(1)理論的に、通帳の履歴を誤魔化すことは難しいです。
もちろん、グループ会社で実際に入出金をしていれば、見破るのは難しいかもしれません。4
(2)毎月の入金、出金を現金ベースを1か月間確かめれば、その1か月間の売上高(入金)と経費(出勤)を確認することができます。
(3)例えば、実際の入金だけを1年間拾えば、売上高の仮想はすぐに分かります。






