【目標管理】KPIマネージメントと例1
2024/02/24 更新
KPIマネージメント
(1)KPIマネージメントは、最終的な目標を達成するために、中間的な目標(KPI)を設定する手法です。
(2)KPIマネージメントを、受験に例えてみましょう。
KGI
(1) KGIは最終的な目標です。
(2)A君は偏差値55です。KGIは偏差値60の〇〇大学に入学することにしました。
(3)KGIとしては数字化しやすいように、本試験で英語・国語・数学で合計200点以上を取ることと考えます。
KPI
(1)KPIは、事業の成功の重要(鍵となる)数値目標です。
KPIを達成すれば、KGI(事業の成功的な目標)を達成できる関係が必要です。
(2)自分が管理できることであるが必要です。いろいろな数字目標が考えられます。
(3)KPIについては、長くても1週間、できれば、1日単位で計測できる目標がよい、とされます
モデル化とKPIの設定
(1) 例えば、月商の場合には、「月商 = 客単価 × 来客数」等の形でモデル化して、客単価や、来客数を、KPIに設定することが多いでしょう。
(2)KPIについては、長くても1週間、できれば、1日単位で計測できる目標がよい、とされます。
(3)今回は、「合格者が推薦していた予備校にかよって、その指導にしがって勉強する」ので、勉強方法に問題はないと仮定します。そこで、勉強時間をKPIとして設定します。
KPIの設定 1日8時、勉強すること、 週に5日で40時間勉強する。達成できなかった日は、残り2日でカバーする。 1日8時間のうち、英語・国語・数学について均等に勉強する。 |
自分ルールの設計
(1)1日8時間勉強することが目標であるとして、この収集力を保つ工夫が必要です。
(2)KPIの達成のために、どうやれば、集中力が続くのか、A君なりのノウハウが必要です。
(3)毎日の時計で自分が集中できた時間を計って、自分ルールの調整を行います。これが、PDCAサイクルです。
1日のマイルール 毎日、10時に寝て、5時に起きる。 「テレビは1時間だけ見る。」とルールを決めます。 |
KGI(最終的な目標)や、KPI(1日の目標)の調整
(1)KPIについては、長くても1週間、できれば、1日単位で計測できる数4字(目標)がよい、とされます。
(2)しかし、勉強時間だけで、目標を達成できるかは不安です。春に本試験だとすれば、夏と冬において、偏差値(何点以上)を取る等の目標もあってあってもよいでしょう。
(3)なお、数か月経過した時点での数字の動きを見て、KGI(最終的な目標)や、KPI(1日の目標)を変更することも必要です。
(4)ビジネスにおいても、資源(人、物、金、時間)は有限です。私たちが行うことは、有限な資源についてどこにどのように使うのが有効なのか、を決定することです。
現実的なラインに、KGI(最終的な目標)や、KPI(1日の目標)を変更することはもちろん、大切です。
(5)もちろん、目標達成のために、1日の勉強時間をさらに延ばす根性論は論外です。
CSFとKPIの再設定
(1)A君の勉強時間は限られています。分析の結果、A君が英語の勉強時間を削って、数学を勉強して、数学の点数を150点にすることが現実的という結論に達しました。
なお、A君はさぼっていたとしても、国語の学力は落ちないものとします。
そこで、A君は、数学を勉強する時間をCSF(重要成功要因)としました。CSF(重要成功要因)は、1番重要なKPIのことです。
(2)例えば、A君の勉強時間を確保できない理由がゲームだったとすれば、「ゲームの時間を〇時間以内にすること」がCSF(重要成功要因)になる可能性があります。
ここまでのポイント
1 KPIの達成がKGIの達成に繋がっていること、KPIの達成に具体的な見込みがること
今回は、勉強方法が間違っていないことを前提に、勉強量をKPIとしました。
2 KPIは、先行指標であること、努力可能であること、リアルタイムで測定できること
(1)KPIは、努力で改善できる部分であることが必要です。
(2)KPIは、努力(施策)の結果がリアルタイムで測定でき、かつ、努力できることが大事です。測定結果が1か月後に分かる状態であれば、次の施策を検討できません。
3 KPIの運用が過剰な負担にならないこと
(1)KPIの運用が簡便であることも必要です。もし、1週間のうち6日が小テストで、インプット(改善)の時間が1日だけだったどうでしょうか。
(2)ビジネスの場では、KPIの把握に時間とコストが取られてしまい、結果の分析につながっていないという事態が生じます。
4 KPIの設定は一つが望ましいこと
ビジネスの世界では選択と集中が基本です。改善をするなら1点集中して取り組まなければ上手くいきません。
PDCAサイクル
(1)A君は、どうやれば勉強時間を確保できるか、調査しました。
(2)A君は家庭教師にアドバイスを求めました(コンサル)。
(3)合格者に、1日の暮らし方を聞きました(他社の成功事例を調査しました)。
(4)勉強熱心な友人は、「ジョギングをしている。」と適度な運動をしていることが集中力が高まっている、ということでこれを取り入れました(ハイパフォーマーのノウハウ)。
(5)A君は日記をつけていたところ、水曜日の時間帯の勉強時間が減っていることに気が付きました(記録による気づき)。水曜日に、好きなドラマがありこれを見てしまっていたからです。そこで、ビデオを録画して、毎日、30分ずつ見るように生活を変えました。
(6)A君は、もともとののマイルールに、ゲーム時間を1日30分まで、とするルールを付け加えました。
(7)1か月単位で、勉強時間の目標を達成できているかをチェックし、達成できた日には、1日、遊びに行く日を設けました。(プロセスの評価)
(8)成績は順調に伸びましたが、もともとの志望校を勝負できるレベルにはありませんでした。したがって、志望校を変更し、無事に試験に合格しました。しかし、A君は、今までの過程をしっかりと報告し、家族(会社)はこれを評価してくれ、「頑張ったね。」とほめてくれて、大学の学費を支払ってくれました。
1日のマイルールの追加8 A君は、もともとののマイルールに、ゲーム時間を1日30分まで、とするルールを付け加えました。 |